山形県内の高速道路・地域高規格道路網を整備
―― 明日をひらく 地域とともに 人とともに
国土交通省 東北地方整備局
山形河川国道事務所長 竹下 正一
■ はじめに
山形河川国道事務所は、1933年（昭和8年）に最上川上流改修事務所として開設以来、山形県内陸部における河川・道路の社会基盤整備を行っています。
山形県内を流れる最上川は、県南部から県北部にかけて内陸部を北上した後西進し日本海に注ぐ、幹線流路延長229㎞、流域面積7,040km2の一級河川で、流域面積及び流域内人口は、山形県の県土面積及び県人口それぞれの約八割を占めており、山形県の社会・経済・文化の基盤となっています。
山形県内の主要な道路は、内陸部と日本海側を縦貫する「東北中央自動車道」と「日本海沿岸東北自動車道」に、連結される横断軸の高速道路「東北横断自動車道酒田線山形自動車道」の他、地域高規格道路の「新庄酒田道路」「新潟山形南部連絡道路」の高速道路ネットワークと、一般国道による生活圏間・主要都市間ネットワークにより、安全で円滑な交通を確保するとともに、地域間の交流の促進による、社会・経済の発展に寄与しています。
当事務所では、最上川上流部の本川・支川合わせて約145㎞の整備・管理と、置賜・村山・最上地域における東北中央自動車道等の整備、高速自動車国道1路線の一部区間と一般国道5路線の計約395㎞の維持・管理を担当しています。
本稿では、山形県内の高速道路・地域高規格道路網（格子状骨格道路ネットワーク）の整備の内、当事務所が実施している主要事業について紹介します。
東北中央自動車道 東根～東根北 H31年3月23日開通
■ 道路の主要事業
山形県内の高規格幹線道路の整備率は約8割と全国平均より遅れており、県土の横断軸を形成する地域高規格道路を含めた幹線道路の整備は、産業・観光振興に欠かせない交通基盤を構築し、また県民生活の安全・安心を確保するためにも、地域から大きく期待されています。
高規格幹線道路のうち、東北中央自動車道の直轄高速区間である東根～尾花沢間は、平成30年4月15日に大石田村山IC～尾花沢IC間（5.3㎞）が開通し、東根IC～東根北IC間（4.3㎞）も平成31年3月23日に開通しました。また、残る区間についても令和4年内の開通に向け、引き続き工事を推進します。
R4年の開通を目指す東根～大石田村山間
新庄市以北については、国道13号の自動車専用道路として整備を進めており、泉田道路は平成26年度から工事に着手しており、令和4年度内の開通に向け、引き続き工事を推進します。新庄金山道路は平成30年度から工事に着手しており、用地買収が円滑に進んだ場合、令和7年度には開通できるものと見込んでいます。また、真室川雄勝道路は平成29年度に事業着手、金山道路は平成30年度から事業に着手しています。
R4年度開通を目指す泉田道路
新庄酒田道路の一部を構成する地域高規格道路の国道47号新庄古口道路は、平成30年7月15日に津谷～古口間が開通し、残る升形～津谷間についても令和4年度内の開通に向け引き続き工事を推進します。高屋道路はトンネル工事を推進しますが、これらが順調に進めば令和6年度内に開通できるものと見込んでいます。また、令和2年度に高屋防災事業に着手しました。
R4年度開通を目指す新庄古口道路
新潟山形南部連絡道路の一部を構成する地域高規格道路の国道113号梨郷道路については、令和5年度内の開通に向け引き続き工事を推進します。また、小国道路は、平成31年度から事業に着手しています。
R5 年度開通を目指す梨郷道路
■ おわりに
当事務所では、3次元データやICTの全面的な活用等により生産性の向上や魅力ある建設現場の実現を目指すi-Constructionを推進するため、ICT活用工事やCIMの導入等に取り組むとともに、将来にわたり公共工事の担い手が確保されるよう、週休2日工事の推進、除雪オペレータを事務所ホームページで紹介する等の取り組みを行っています。
ドローンによる3 次元起工測量
特に週休2日の確保をはじめとした働き方改革については、令和元年度には、山形県内の行政機関並びに建設業界団体の協働により、「週休2日制普及促進DAY」を設定し、統一土曜日に一斉現場閉所を行うことで、下請け会社や協力会社が休みやすい環境をつくる取り組みを行っています。さらに、令和2年度からは週休2日の対象を原則全工事に拡大し、働き方改革の促進に努めています。
今後も「明日をひらく、地域とともに、人とともに」のモットーの下、河川・道路事業を通して、県民生活の安全・安心確保と、県内の産業・観光振興に欠かせない交通基盤の構築に取り組んで参ります。
3 次元MC･MG 技術を搭載したBH による施工
