年頭所感/北海道開発局 留萌開発建設部 部長 村山 雅昭

年頭所感/北海道開発局 留萌開発建設部 部長 村山 雅昭

安心で安全な道路整備事業を重点に防災・減災対策を強化し
農林水産や観光等「生活空間」支える事業を推進

国土交通省 北海道開発局
留萌開発建設部
部長 村山 雅昭


明けましておめでとうございます。皆様健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年は、新型コロナウイルスの影響で生活様式も大きく変わり、まさに激動の年でした。一方、事業では3月に深川・留萌自動車道が全線開通となり、7月には「道の駅るもい」のオープンと「みなとオアシスるもい」の登録がなされ、10月には新しい天塩大橋が供用されるなど、留萌地域にとっては、今後の発展のきっかけとなる節目の年であったと思います。この機会をチャンスと捉え、深川・留萌自動車道全線開通の波及効果が管内全域に十分に行き渡るよう、今年も管内の基盤整備の着実な進捗を図っていきたいと思います。

さて、強靱化の必要性について、道路を例に説明しますと、深川・留萌自動車道から留萌管内の各市町村を結ぶ国道231号と232号では、管内の区間において、平成26年度から30年度までの5年間で通行止めが23回(吹雪13回、越波7回、法面崩落3回)も発生しています。また、留萌管内における近年の道路災害としては、平成24年4月に国道239号苫前町霧立で大規模な地すべりが発生し、平成26年8月には国道232号苫前町力昼で土砂崩落が発生、平成30年7月に国道232号小平町花岡で土砂崩落が発生するなど災害が頻発している状況にあります。

このため、道路の安全な通行を確保する観点から、土砂崩落等を防ぐ防災事業や越波対策、吹雪による視程障害を軽減する対策等を進めることが急務となっています。

第8期北海道総合開発計画では、「世界の北海道」をキャッチフレーズに、「食」や「観光」を戦略的産業と位置づけています。留萌開発建設部としても農林水産業や観光等を担う「生産空間」を支え、強靱な国土づくりに資する事業等を推進していきます。

道路では、先ほど述べた国道231号・232号の強靱化として、引き続き、吹雪対策や越波対策などを着実に進めるとともに、今年度事業化された小平防災を推進します。また、国道239号の霧立防災や国道40号の天塩防災等を推進します。

河川では、留萌川と天塩川の治水安全度を向上させるため、引き続き、留萌川では導流堤等の整備を、天塩川では堤防等の整備を進めていきます。また、昨今の災害リスクの増大に備えるため、「流域治水」も進めていきたいと思います。

港湾整備では、道北地域における地域産業の発展と地域の生活基盤を支えるため、船舶航行の安全性を確保するための防波堤の整備や水産物の品質の向上に資する整備、さらに、静穏度対策や航路埋没対策、老朽化対策等を推進します。

水産基盤整備では、水産業の競争力強化と輸出促進に向けた生産・流通機能強化対策等を推進します。

農業農村整備では、生産性の向上を図るため、泥炭性土壌に起因する地盤沈下の進行により機能低下が生じた農用地及び農業用排水路の整備等を推進します。

これらの基盤整備を着実に進めていくことで、留萌地域のさらなる発展を下支えしていきたいと思います。

今後の強靱化施策については、昨今、気候変動の影響が顕著に現れてきていることから、ハード対策の推進に加えて、防災情報の「見える化」などソフト対策のさらなる充実を図り、これらの両輪で機動的かつ柔軟に対応することがますます重要になってくると思います。

結びに、今年一年が皆様にとって幸せに満ちた年になるよう、ご祈念申し上げて、年頭のご挨拶といたします。

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