現場寄稿/鹿児島3号東西道路シールドトンネル(下り線)新設工事

現場寄稿/鹿児島3号東西道路シールドトンネル(下り線)新設工事

【鹿児島国道事務所 関連記事】

鹿児島3号東西道路シールドトンネル(下り線)新設工事

大成・大豊特定建設工事共同企業体
作業所長・監理技術者

橋本 諭


はじめに

本稿では、技術的難易度の高い都市部におけるシールド工事を無事故無災害で完成させるための安全への取り組みについて述べる。

本プロジェクトでは作業所安全基本理念の前提として『人はミスを犯す生き物である』という考えに重きを置いている。事故につながり得るこの人間特性の危険を回避すべく、フェールセーフを構築し、人の注意力のみに頼る安全管理を排除していく取り組みを推進している。
安全への取組(機械関連災害防止)

中間杭が設置されている立坑内では、躯体構築のためにミニクレーンや高所作業車を用いて作業を進めている。このような機械による挟まれ災害を防ぐため、以下、三重の安全対策を実施している。①重機接近防止センサーを全作業員へ装備。重機との距離が一定値に近づくと、接近防止装置が鳴動し、近接していることを個人レベルで通知する設備とした(4Sシステム)。②重機オペレータと玉掛け者・合図者は双方向無線を使用し、運転席からオペレータが顔を出す必要がない設備とした。③立入禁止措置として2段コーンバーを設置し、安易に重機旋回範囲に近づけない設備とした。

おわりに

安全は元請けのみが取り組んでいても、実際に働く方々が本気で「安全とは何か」を主体的に考えねば、効果は薄い。安全への取り組みをより効果的なものとするため、本プロジェクトでは職長会を組織し主体的に活動している。週1回の全職長参加安全パトロールや、毎日の朝礼時に死亡事故事例を説明し、日々の実際の作業に置き換えた類似事故防止策を職長が発表している。

関係する一人ひとりが本プロジェクトのかけがえのない一員として、この良い雰囲気を継続しながら、安全への強い意志を持って最後まで安全作業に努めていきたい。


 

現場寄稿カテゴリの最新記事