ズームアップ/平城宮跡歴史公園 第一次大極殿院復原事業

ズームアップ/平城宮跡歴史公園  第一次大極殿院復原事業

平城宮跡歴史公園、第一次大極殿院の復原整備が進行中

―― 南門が令和4年春に完成

国土交通省 近畿地方整備局 国営飛鳥歴史公園事務所

 

国営平城宮跡歴史公園は、奈良県奈良市にある特別史跡「平城宮跡」を主な計画地とした国営公園です。平成20年度の閣議決定に基づき、「古都奈良の歴史的・文化的景観の中で、平城宮跡の保存と活用を通じて、“奈良時代を今に感じる”空間」として、奈良県と連携し、整備を進めています。

平成30年3月に「朱雀門ひろば」や「平城宮いざない館」等の約32haを開園し、現在は第一次大極殿院の復原整備を推進しています。令和元年度は約118万人、令和2年度は約89万人に来園いただきました。

園内のようす

第一次大極殿院復原事業の概要(平城宮跡区域)

第一次大極殿院は、奈良時代後半、平城宮の中でも、国家で最も重要な儀式が行われていた空間で、その規模は東西約176.6m、南北約317.7mの広さです。
国営平城宮跡歴史公園では、この第一次大極殿院において往時の平城宮のあり方を体感できるよう、原位置・実物大での建造物の復原整備を順次進めています。
現在、南門の整備を進めており、南門の完成後は東楼の復原整備を実施予定です。

【第一次大極殿】
即位や元日朝賀(がんじつちょうが)といった国家儀式や外国使節の謁見の際に、天皇が出御(しゅつぎょ)する建物です。既に文化庁により復原されています。
【南門】
第一次大極殿院の正門です。儀式の際には天皇が出御することもありました。現在公園事業で復原工事を行っており、令和4年春に完成予定です。

第一次大極殿院復原事業~南門復原(平城宮跡区域)

第一次大極殿院南門は第一次大極殿院の正門で、奈良時代、儀式の際には天皇が出御することもありました。平城宮跡歴史公園では、平成29年からこの南門の復原工事に取り組んでおり、4年あまりをかけて令和4年春に完成予定です。

 

第一次大極殿院 復原の意義

公園基本計画の基本方針に基づき、第一次大極殿院を復原することにより、以下の効果が期待されています。
●復原建造物の見学を通じ、奈良時代の宮殿建築の規模や形状、さらには平城宮の壮大・壮麗・荘厳さを体感する。
●再現される往時の儀式・行事(古代演示)の見学等を通じ、その歴史・文化を体験的に学ぶ。
●空間特性を活かしたその場にふさわしい催事を開催し、来訪のきっかけづくりや新たな魅力発見の機会を提供できる。

 

復原工事のポイント

・ 発掘調査をもとにした厳正復原としており、主要な木材は国産ヒノキ材、工法もできるだけ奈良時代に近い伝統的なものを採用しています(ヤリガンナによる木材加工等)。
・ 南門全体を覆う巨大な素屋根(覆屋)を整備し、この中で南門復原工事を進めました。素屋根は、間口約50m、奥行約43m、高さ約30mで、南門全体が入る非常に大きなものです。
・完成後の姿を想像していただけるよう、素屋根の南壁面に原寸大の南門完成イメージをカラープリントしました。
・素屋根の中で作業する宮大工をはじめ職人の様子をご覧いただけるよう、見学デッキを整備しました。
・建物本体は令和3年夏に完成し、その後素屋根を次の東楼の整備に再利用するため東側に移動しました。

 

南門復原整備工事の経過

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