〈建設グラフ2001年5月号〉
寄稿
舞鶴工事事務所の事業
近畿自動車道敦賀線の建設事業
日本道路公団 関西支社 舞鶴工事事務所長 竹内 久雄 氏
竹内久雄 たけうち・ひさお
昭和50年 日本道路公団入社
平成 6年 金沢管理局保全第二課長
平成 9年 神戸管理事務所副所長
平成12年 舞鶴工事事務所所長
近畿自動車道敦賀線の概要
近畿自動車道敦賀線は、吹田市を起点として中国自動車道の吉川ジャンクションから分岐し、福知山市、舞鶴市を経て敦賀市に至る
延長約162km(中国自動車道との重複部分を除く)の高速道路です。当自動車道は、中国自動車道、名神高速道路および北陸自動車道と一体となり、丹波・丹後および若狭地方と京阪神地方を連絡する幹線道路として、輸送時間の短縮、交通混雑の緩和並びに沿線地域の産業・経済発展の原動力となる道路です。
舞鶴工事事務所では現在、既に舞鶴自動車道として供用している吉川JCTから舞鶴東ICのうち福知山ICから舞鶴西IC間約23kmの四車線化事業と舞鶴東ICから小浜西IC間約25kmの建設事業を担当しています。
舞鶴東〜小浜西間の地形・地質
地形概要
舞鶴東〜小浜西間は日本海の若狭湾に面した地域にあり、東西方向に延びる山の北側山腹を切土・盛土・橋梁・トンネルで結ぶ路線です。
地形は、大きく見ると単調な形状の山地とその間に抱かれた山間盆地で形成されており、当該区間の南側には丹波山地が分布し、これは標高500〜1000m級の極めて定向性の著しい山地で東に高く西に低い傾動地形を呈しています。
地質の概要
舞鶴東IC〜小浜西IC間に分布する地質は、舞鶴帯と超丹波帯です。舞鶴帯は近畿地方北部を経て中国地方に帯状に延びており、北より志高帯、夜久野北帯、中央帯、夜久野南帯に区分されます。このうち当該区間には中央帯と夜久野南帯が分布。中央帯はさらに、舞鶴層群と難波江層群とに細分化され、いずれも頁岩・粘板岩・砂岩等の堆積岩より成っています。夜久野南帯は大きくハンレイ岩体、輝緑岩〜輝緑凝灰岩体、超苦鉄質岩類に区分され、超丹波帯は加斗層・大飯層に分けられいずれも粘板岩・砂岩・チャート及びこれらの互層より成っています。
また、基盤岩には数種類の貫入岩が存在する。そしてこれらを被覆して、第四系が分布しています。
道路の概要
舞鶴東IC〜小浜東IC間
当区間の道路延長は、24.9kmで、この内土工延長10.0km、トンネル延長10.1km(10箇所)、橋梁延長4.8km(20箇所)と構造物比率が60%であり、山間部の高速道路の特徴を呈しています。
路線は、山間部の谷筋を通過するため、高盛土、切土のスライスカットが多く、また構造物比率が高いため、捨土量140万立方メートルが生じています。
道路構造の特徴としては、通過地域が積雪寒冷地となっているため、堆雪拡幅等のための切土部の路肩拡幅、拡幅除雪のための土工部路肩拡幅、橋梁部に投雪余裕幅、雪氷Uターン路、小規模チェーンベースの確保があります。
福知山IC〜舞鶴西IC間
当区間は暫定供用された区間の四車線化事業で、道路延長は22.8kmで、この内土工延長15.3km、トンネル延長4.0km(5箇所)、橋梁延長3.5km(15箇所)となっています。
区間内にある綾部ジャンクションは、現在綾部IC方向から綾部宮津道路の利用しか出来ないハーフジャンクションですが、今回の四車線化に合わせ実施するフル化で全方向の利用が可能となります。
また、一期線で私市円山古墳が出土したことにより、トンネル化した私市円山トンネルは、二期線施工で全国的にも供用路線で初めてのメガネトンネルの施工が行われます。
▲架設中の堂奥高架橋
▲工事中の石山トンネル
▲工事中の大飯IC
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