建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年9月号〉

寄稿

ゆたかな暮らしと自然を大切にした道づくり

国土交通省 関東地方整備局 相武国道工事事務所長 石原 康弘 氏

石原 康弘 いしはら・やすひろ
昭和37年11月生 鹿児島県出身 九州大学大学院修了
昭和62年建設省採用
平成 6年中華人民共和国日本大使館勤務
平成 9年建設省建設経済局国際課海外協力官
平成10年建設省道路局国道課課長補佐
平成11年建設省道路局企画課課長補佐
平成13年5月より現職 (相武国道工事事務所長)
はじめに

相武国道工事事務所は、東京西部及び神奈川県北部の幹線道路網の主軸となる一般国道の整備を行っています。
現在、当事務所では国道468号(圏央道)の新設と、一般国道16号、20号の改築事業及び維持管理を行っています。

1.首都圏中央連絡自動車道整備
圏央道(首都圏中央連絡自動車道)は、都心から半径およそ40〜60kmの位置に計画されている延長約300kmの環状の自動車専用道路です。
横浜、厚木、八王子、川越、つくば、成田、木更津などの近郊の中核都市を結ぶとともに東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関道など放射状の幹線道路と接続し、東京湾アクアラインとも一体となって首都圏の広域的な骨格となる幹線道路網を形成する重要な道路です。そのうち、相武国道工事事務所は首都圏西部の延長約37km (うち約5.3kmは日本道路公団単独施工区間)を管轄しています。
○国道20号〜青梅IC区間
沿線のすべての市・町域で全面的に工事を行っており、供用に向けて一層の推進を図っています。一般国道20号から青梅ICに至る延長約22.5kmについては、青梅トンネル(上り線)のほか、3本のトンネルが貫通し、さらに他のトンネルや橋梁、土工等の工事が進んでおります。特に工事の進んでいる日の出IC〜青梅IC間については、地元の皆様からの要望も受け、平成13年度の開通を目標に事業を進めております。
○国道129号〜国道20号区間
神奈川県中央部は南北方向の道路が不足しており、圏央道の整備は行動範囲の拡大や地域の発展に寄与し、周辺道路の混雑緩和にもつながります。一般国道129号から一般国道20号に至る延長約14.5kmについては、設計、用地買収を推進しており、平成13年度に工事着手します。
▲青梅IC ▲日の出IC
2.一般国道16号の整備
一般国道16号は、横浜、相模原、八王子、大宮、千葉、横浜を結ぶ延長約339kmの環状道路です。そのうち相武国道工事事務所管内の延長は48.4q(国道246号bp交差点〜埼玉県境)で、東京周辺の人口急増地域の中でも特に開発の著しい相模原市、八王子市などを通過する重要な路線となっています。
○八王子拡幅
八王子市中野上町から八王子市左入町の一般国道16号2.7qについては、中央道八王子ICから八王子市街への連絡及び昭島、福生市域と八王子市とを結ぶ重要な路線となっていますが、1.2kmの2車線の区間が残っているため著しい渋滞区間となっています。このため、本事業はこの2車線区間の4車線化を行い、交通渋滞の緩和と交通の安全を図るものです。平成13年度は、引き続き用地買収を推進します。
○八王子〜瑞穂拡幅
八王子市左入町から西多摩郡瑞穂町の一般国道16号14.6qについては、松原地区の1.7qを除き4車線で供用されています。この松原地区については平成9年7月に都市計画変更の告示がなされ、平成12年度に用地買収に着手しました。平成13年度はボトルネックとなっている小荷田交差点の改良工事に着手します。
▲恩方トンネル ▲秋川街道交差部分
3.一般国道20号の整備
一般国道20号は東京都日本橋を起点に調布、府中、立川、日野、八王子、大月、甲府などの各都市を経て塩尻に至る延長約220qの国道で甲州街道とも呼ばれ、首都圏と中部内陸地域を結ぶ大動脈となっています。そのうち、相武国道工事事務所は世田谷区境から山梨県境までの延長54.1qを管轄しています。
○日野バイパス
一般国道20号の調布市から八王子市にかけての区間は、既成市街地を通過しており平面交差点が多く、また日野市内においては2車線区間があり、慢性的な交通混雑が続いています。このため本事業は、国立市、立川市、日野市、八王子市の4市にまたがる市街地の混雑緩和と沿道環境の改善のため計画されました。
このうち、平成13年3月には、日野市万願寺地区約1.1qにおいて暫定供用しました。平成13年度は国立府中icから川崎街道間の早期供用に向け、用地買収、工事を推進します。
○八王子南バイパス
八王子南バイパスは八王子の環状道路の形成と東西軸の強化を図り、一般国道20号、北野街道をはじめとする市域の交通渋滞を緩和して、圏央道とも連携し、行動範囲の拡大、時間距離の短縮を図ります。また、生活道路に入り込む通過交通を減少させ、安全性の向上など生活道路の機能回復を図ります。
平成13年度は設計、用地買収を推進するとともに八王子南IC部において工事着手します。
▲圏央道多摩川橋 ▲あきるのIC
4.その他
○共同溝
相武国道工事事務所管内においては、調布・府中共同溝、国立〜日野共同溝の2箇所で現在事業を行っています。調布・府中共同溝は、一般国道20号の調布市から府中市に至る延長約1.9qの共同溝です。本地域は、都心部より20〜30q圏に位置し、外周部に業務核都市を育成していくうえで重要な地域となることから調布・府中共同溝が計画され、平成11年度よりシールド工事を行っています。
また、国立〜日野共同溝は周辺の関連事業(区画整理、多摩都市モノレール等)による電力及び通信需要に対応するため計画され、日野バイパスの整備に合わせて工事を進めています。
○電線共同溝・情報BOX
電線類の地中化を図るとともに、高度情報化社会の早期実現に寄与するため、道路地下空間を活用して、光ファイバー・電力線等をまとめて収容する電線共同溝、情報通信インフラ整備として道路管理者等の光ファイバーを収容する、情報boxの整備を進めています。
平成13年度は、相模原市内、八王子市内で整備を進めます。
○交通安全施設等の整備
八王子市街地再開発事業と一体整備による道路地下空間を利用した八王子八日町地下駐車場の整備を、平成14年度の完成に向け、進めています。
○その他(維持修繕、防災、沿道環境改善等)
一般国道16号、20号の維持・修繕、防災、騒音対策(低騒音舗装)等も行っています。
その他に、交通連携推進道路事業(交通結節点改善事業)として橋本駅南入口交差点の立体横断施設について、設計を進めています。

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