〈建設グラフ1997年7月号〉
寄稿
いきいき漁港漁村空間の創出
千葉県水産部漁港課長 加賀松次郎 氏
加賀 松次郎 かが・まつじろう
平成5年 千葉県土木部技術管理指導室主幹
平成6年 企業庁地域整備部幕張新都心建設課主幹
平成7年 土木部道路計画課主幹
平成8年 市原土木事務所長
平成9年4月 現職
▲銚子漁港全景
1.地域生活経済圏の形成
本県は荒波の太平洋と波穏やかな東京湾に抱かれ、沿岸・沖合いには良好な漁場を有して、多種多様な漁業が営まれ、首都圏に位置するという地理的優位性などから全国有数の水産県として発展を続けています。
この水産業を豊かで活力に満ちたものにするため、漁業の基盤である漁港、及び漁業集落の生活環境の整備を積極的に図っていく必要があります。
平成9年度の漁港関係事業は、第9次漁港整備長期計画(平成6年度〜平成11年度)の4年度目であり、約79億4,000万円を投入して県内37港の整備を進めていきます。
本年度の主な事業概要は、漁港修築事業で銚子漁港ほが8港約53億円、漁港改修事業で小湊漁港ほか8港9億7,000万円、漁港局部改良事業や漁港利用調整事業で野島漁港ほか、8港で約9億円、漁港環境整備事業や漁業集落環境整備で七浦漁港ほか4港で約5.5億円、漁港関遠道整備事業で金田漁港ほか1港9,300万円、漁港高度利用活性化対策事業で大原漁港ほか2港1億3,000万円を予定しています。
新規実施予定漁港は、漁港局部改良事業では、栗山川漁港、富浦漁港、牛込漁港の3港。また、漁港高度利用活性化対策事業では大原漁港、千倉漁港、飯岡漁港の3港となっています。
海岸保全施設の整備は、平成8年度を初年度とする第6次海岸事業5か年計画(平成8年度〜平成12年度)の二年度目となります。
国土を波浪などの被害から防護し、国土の保全と民生安定に資する「安全な海岸の創出」、近年の海岸に対する二―ズの多様化、高度化に伴い、利用機能の維持拡大を図る「利用され親しまれる海岸の創出」とともに、「豊かな自然とのふれあいの場を確保した良好な海岸環境の創出」、「自然と共生する海岸の創出」のために、親水施設などの整備も計画しています。
本年度の事業概要としては、侵食対策事業で串浜漁港、海岸保全と環境整備を合わせ持つ海岸環境整備事業で栗山川漁港ほか6港で約4億円を予定しています。
今後は、さらにうるおいと活力のあるいきいき漁港漁村空間の整備を図っていきたいと考えています。
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