〈建設グラフ1997年7月号〉

寄稿

「北海道漁港の日」にむけて

北海道水産林務部漁港漁村課長 土田浩治 氏

土田 浩治 つちだ・こうじ
昭和18年生まれ、札幌市出身、札幌南高校、北大卒
昭和42年入庁
昭和55年帯広土現舗装係長
昭和57年都市計画課基本計画係長
昭和62年留萌土現道路建設課長
昭和63年企画振興部企画室主幹
平成 2年函館土現企画調整室長
平成 5年室蘭土現技術部長
平成 6年土木部管理課参事
平成 8年現職
1.背景
「北海道漁港の日」は平成4年6月に開催された第13回北海道漁港大会において、出席した漁港関係者の総意でその制定が決議されました。
この日は、地元漁業者が中心となって漁港や周辺の美化活動や、一般の方々に漁港に対する良いイメージと理解を深め、漁港愛護の思想と習慣を広める行事等を行っています。
漁港は漁業生産や流通加工の拠点としての役割ばかりでなく、公園や漁村センターなどの公共施設を利用する地域住民の生活の場であるなど、漁村の社会経済の中心として大きな役割を担ってきました。
また、近年は余暇時間の増加に伴い、魚釣りや海洋レジャーのために漁港を訪れる人が増加しており、今後漁港が海洋性レクリェーションの場としても期待されてきています。
しかし、海洋性レクリェーションの増大に伴い、プレジャーボートと漁船との接触事故や係留場所を巡るトラブル、また漁港内での迷惑駐車やゴミの投棄が各所で生じているなど、改善しなければならない問題が多くなっています。
漁港はそれ自体が非常に公共性の高い施設であり、多くの人々に利用していただくための整備も進めていますが、お互いが迷惑をかけることがないよう、漁港の公共性を再認識していただき、より良い利用方法を見い出すとともに、豊かで美しい漁港・漁村づくりにご協力いただきたいと考えています。
2.取組状況
初年度の平成4年度は、全道31市町村、52の漁港において清掃活動や広報車による呼かけなとの普及宣伝活動が行われ、全国に先駆けての実施となりましたが、平成8年度には51市町村で120を越える漁港において取組みが行われるようになりました。
なかでもモデル漁港となった常呂漁港(第2種)と羅臼漁港(第4種)では、関係者500名以上が参加し記念式典を開催し、一連の行事として漁港内の清掃、記念植樹、稚魚の記念放流を行ったほか、地元の芸能なとにより漁港愛護のピーアールが行われました。
このように「北海道漁港の日」は地元漁業関係者と市町村を中心に取組みが始められましたが、さらに裾野の広い漁港愛護思想の普及拡大と定着を図っていく必要があります。
道としても主催・推進団体てある北海道漁港協会の行なう普及活動などに対し助成を行っているほか、毎年7月上旬に道庁本庁舎1階道民ホールにおいて「漁港漁村パネル展」を開催し、来庁者の方々に漁港の果たす様々な役割などについて紹介をしています。
▲第1種 昆布森漁港 ▲第2種 八雲漁港

▲漁港の記念事業 「神恵内第1種川白漁港 胸壁の壁画」
「北海道漁港の日」の実施状況(モデル漁港)
1種、2種
地区・漁港 参加者 実施内容等 地区・漁港 参加者 実施内容等
平成4年度 胆振支庁登別市登別漁港 154名 ・記念式典・港内清掃・記念植樹・花植え 石狩支庁浜益村浜益漁港 176名 ・記念式典・港内清掃・美化スローガン書入れ・記念植樹・アトラクジョン
平成5年度 渡島支庁鹿部町鹿部漁港 200名 ・記念式典・港内清掃・記念植樹゜美化スローガン除幕・アトラクジョン 留萌支庁苫前町苫前漁港 330名 ・記念式典・港内清掃・記念植樹・漁船会場パレードほが・アトラクジョン
平成6年度 後志支庁神恵内村神恵内漁港 100名 ・記念式典・港内清掃・記念植樹・トリックアート・小中学生絵画展等表彰 日高支庁様似町様似漁港 500名 ・記念式典・港内清掃・記念植樹・美化スローガン除幕・アトラクジョン
平成7年度 渡島支庁上磯町上磯漁港 1,500名 ・記念式典・記念植樹゛・ミ二水族館開設・港内清掃・産直市ほか 後志支庁積丹町余別漁港 200名 ・記念式典・記念植樹・神威神楽・港内清掃ほか
平成8年度 網走支庁常呂町常呂漁港 250名 ・記念式典・記念植樹・稚魚記念放流・港内清掃ほか 根室支庁別海町羅日漁港 250名 ・記念式典・講演・記念植樹・歌謡ジョー・港内清掃ほか

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