〈建設グラフ2000年7月号〉

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寄稿特集

山陰の交通混雑解消と地域発展の要となる国道9号線

建設省中国地方建設局 松江工事事務所長 岡 邦彦 氏

岡 邦彦 おか・くにひこ
昭和37年2月5日生まれ、香川県出身
大阪大学大学院工学研究科土木工学専攻修士課程修了
昭和61年4月建設省入省
平成 6年4月中国地方建設局 企画部 企画課長
平成 8年4月道路局 国道課長補佐
平成 9年6月道路局 企画課長補佐
    (国会等移転審議会事務局上席局員)
    (国土庁大都市圏整備局首都機能移転企画課長補佐)
平成11年 4月 中国地方建設局 松江国道工事事務所長

松江国道工事事務所は、一般国道9号線の安来道路と松江道路の整備に全力を挙げています。管内で特に重要な一般国道9号線について、紹介します。

安来道路のあらまし
一般国道9号は、京都市を起点として山陰地方の主要都市を結び、山口県下関市に至る総延長約670qの主要幹線道路です。
この地域は、出雲・宍道湖・中海地方拠点都市地域に指定されており、中海周辺の開発が進められています。
松江市から米子市間の一般国道9号は、昭和41年度に一次改築を完了し、島根県東部地域の経済・文化の発展に寄与してきましたが、急激な産業活動、都市化とともに交通量が増加し、安来市街地を中心に交通混雑の状況にあり、幹線道路としての機能が低下しています。
このような状況に対処するため、昭和61年度に安来市島田町から同市西赤江町に至る延長6.9qの区間を「安来バイパス」として事業化しましたが、昭和62年の高規格幹線道路網の計画決定に伴い、昭和63年度に、既に部分供用を行っている「米子道路」と「松江道路」を接続する延長18.7qの高規格幹線道路(自動車専用道路)として一体整備を図るよう計画変更を行いました。
平成10年3月20日には県境〜安来ic間6.1qの本線(自動車専用道路)が暫定2車線で、さらに安来icから県道広瀬荒島線までの4.6qのランプ及び側道が開通しました。
「安来道路」は一般国道9号の交通混雑の緩和はもとより、他の高速交通ネットワークと連携し地域間の時間距離の短縮を図り、地域経済の発展と活性化に寄与するものです。
安来道路
東出雲五反田付近の交通混雑状況 平成11年10月現在
松江道路のあらまし
一方、県庁所在地である松江市は、島根県の社会、経済、文化の中心地であり、また、出雲・宍道湖・中海地方拠点地域の松江都市圏の中心都市として位置づけられています。
昭和41年に一次改築を完了した現在の一般国道9号は、松江市及びその周辺地域の急激な都市化とともに交通量が増加し、朝タのピーク時はもとより慢性的な交通混雑の状況にあり、幹線道路としての機能が低下しています。
松江道路は、このような状況に対処するため計画された道路であり、昭和62年度に高規格幹線道路として山陰自動車道が位置づけられたことに伴い、高規格道路への計画変更を行っています。
昭和57年度から主に一般部について逐次暫定2車線で開通を図り、平成10年4月17日には全線10.9qを暫定開通しました。このうち自動車専用部については松江市東津田町から終点の八束郡玉湯町布志名までの6.4qを暫定2車線で供用しています。
「松江道路」は、一般国道9号の交通混雑の緩和はもとより、「安来道路」、「中国横断自動車道尾道松江線」と一体となり高速交通ネットワークを形成し、地域経済の活充に寄与するものです。
松江道路

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