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東京都の総合治水対策事業は、1時間50oの降雨にも耐えうるレベルの河川改修を行い、住民の生命とくらしを洪水の災害等から守ることを基本的な目標としており、黒目橋調節池もその趣旨に沿って行われている。だが、この事業ではそれだけに止まらず、上部には東久留米市の総合体育館が整備されており、土地の有効活用として一つの理想像を提示している。
黒目川や落合川の流域は、近年の急激な都市化に伴い、流域の遊水、保水機能が低下し、降雨時河川への流入量が増大する傾向にある。現在、設置している調節池は、黒目川と落合川合流部付近(旧東久留米下谷処理場跡地)に設け、豪雨時の流水を調節池に貯留し、下流埼玉県域の流水量を抑制しながら、上流都域の河道能力を1時間50oに上げて、流域の治水安全を図るものだ。
調節池は、河川から水を取り入れる取水施設、その水を一時貯留するための地下式の調節池本体、そして一時貯留された水を河川へ放流するための放流施設で構成される。調節池の働きは、豪雨時に河川の水位が上昇したとき、ある水位以上の川の水を調節池内に取り込み、下流部への流下量を抑制し、水害を未然に防ぐ。調節池に―時貯留された水は、河川水位が低下した後、・ポンプにより汲み上げて川に放流される。
調節池内部 |
現在までに、黒目川黒目橋調節池工事(その1)として連続地中壁築造工事、同(その2)として桟橋仮設及び掘削・山留め架設工事、同(その3)として、黒目川と落合川の合流点付近に、1期工事分の躯体築造及び山留支保工と桟橋の撤去が行われた。
一方、地上部には、地元市である東久留米市が、東久留米市総合体育館や公園などを整備して、市民に提供する計画となっており、間もなくスポーツセンターがオープンする。