建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2002年12月号〉
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住宅整備を通して活力あるまちづくりを
公共賃貸住宅総合再生事業、住戸改善事業など、新たな取り組みにも着手
横浜市 市営住宅整備事業
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▲「公共賃貸住宅総合再生事業」を活用して整備を図る十日市場住宅(9期建替) |
横浜市では近年、市民の定住化傾向が進み、“住まい”に寄せる期待も大きくなっている。このため、同市は「横浜市住宅基本計画」を作成し、総合的・体系的な住宅政策を展開。市営住宅整備においては、少子化・高齢社会の到来、民間活力の活用など、社会経済状況の変化に対応しながら、低所得の住宅困窮者層に、的確な供給を進めている。
- ■横浜市の住宅整備計画
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横浜市は大正8年、南太田に初めて市営住宅を建設。以後、高度成長に伴う人口急増に対応するため、大規模団地の整備や居住水準の向上を図るため、既存住宅の建替など、住宅整備を通して活力あるまちづくりを行ってきた。
現在は、「ゆめはま2010プラン」による5ヵ年計画(平成9年度から13年度)、「住宅建設計画法」による5ヵ年計画に基づき行っており、新規建設のみならず、将来にわたる良好な市営住宅のストックを確保するための建替事業も実施。
大規模団地である十日市場住宅では、公団住宅などとの相互乗り入れを図る「公共賃貸住宅総合再生事業」を活用し、多様な人々が住むバランスの取れたまちづくりを目指している。
5ヵ年計画では、計画戸数は3,675戸だが、高齢者・障害者住宅への取り組みの強化、借上型市営住宅の供給などを新たに盛り込んだ。これまでの整備実績としては、高齢化率が高く、用地取得が困難な都心部を中心に2,326戸を供給。計画戸数を上回る3,756戸を供給した。
- ■高齢者・障害者用住宅の整備
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高齢者用の住宅整備については、国の「シルバーハウジング・プロジェクト」を適用した直接建設の住宅、借上型の「シニア・りぶいん」の供給を進めており、これらの住宅では、緊急通報システムを設置し、福祉部局からlsa(巡回相談員)の派遣により、緊急時の対応や高齢者への生活相談、安否確認などを行っている。
障害者用の住宅としては、回転スペースなどを確保した車いす使用者向け住宅の整備を進めており、平成12年度からは、入居者の個々の身体状況に応じて手すりの設置や設備面での配慮を行う住宅供給も進めている。
- ■住戸改善事業
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昭和35年代以前に建設された市営住宅は「建替」、昭和35年〜昭和40年代までのものは「住戸改善」、昭和50年代以降のものは「維持管理」とする管理区分が設定されている。
このうち、住戸改善事業は、既存建物の躯体を生かしたまま、住宅内部の設備や内装の更新、バリアフリー化対応を行う居住水準や設備水準の向上を図る手法。平成13年度に上飯田住宅(1,412戸)で着手し、14年度前期で280戸の工事が完了している。
- ■今後の取り組み
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これからの住宅整備においては、ストックの重視や民間活力の活用が求められてくるため、建替事業や住戸改善事業による既存市営住宅の有効活用・長寿命化を推進するとともに、従来の新築住宅の借り上げに加え、本年度から既存の民間共同住宅の借り上げを開始した。
市では、現在、非「拡大・成長」時代に対応するために、新たな5ヵ年計画として「中期政策プラン」の策定作業を進めている。市営住宅についても、厳しい財政状況の中、従来の枠にとらわれない新たな視点により、整備を進めていく考えだ。
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▲明神台住宅(仮称)第1期新築工事 |
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▲上瀬谷住宅新築工事 (写真は右から1期、2期、3期) |
■現在、横浜市が整備を進める主な住宅
三ツ境住宅(第2期・第1〜第3工区)/善部町住宅(第1、第2工区)
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