建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年7月号〉

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北海道の教育政策と施設整備

北高100年の歴史を感じさせる、アカデミックなデザインに

ゆったりとしたみどりの空間を継承した配置計画

北海道教育庁　札幌北高等学校

100年の歴史を持つ札幌北高校の改築工事が進んでいる。
北高校舎は開学当初の木造校舎からはじまり、昭和45年には改築木造校舎が焼失。その後仮設校舎2年を経て、鉄筋コンクリート校舎となり、それから約30年が経過していた。
北高周辺は広々とした外部空間とみどり豊かな環境に囲まれている。そこで、北高とともに育ってきた地区の歴史を継承するため、その環境をできるだけ残した配置とした。

計画にあたっては、周辺道路のみどりの障壁ともいえる既存樹木帯をできるだけ残し、豊かな自然環境を継承する。建物は道路よりセットバックし、ゆとりのある前面空地・グランド用地を設定。さらに北大キャンパスへ視覚的に繋がる7丁目通りを中心軸に構成し、校舎焼失前から継承している門、ひょうたん池、記念碑をそのまま継承した。

外観は移り変わってきた旧校舎からのモチーフでなく、「寛容」「進取」「良識」といった北高の気風を感じさせ、さらに100年の歴史を感じるアカデミックな表情となる校舎をデザインした。
具体的には、縦ラインを強調したネオクラシカルな表情で100年の歴史と未来への飛翔を表現。100ｍにもわたる大きな壁面はv字型の特徴ある形態とし、細やかなディテールで特化させ、圧迫感を押さえた単調さを感じさせないデザインとする。

さらに華美な装飾や高価な素材を使用せず、シンプルな形状の変化で太陽の移動による光と影で季節や時刻の変化が感じられる陰影のある表情とした。
建替工事にあたっては、授業の展開に支障がないよう、配慮している。