建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2005年12月号〉

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地域から早期完成が望まれる名豊道路

関係市町村と議会による促進協議会が要望

国土交通省名四国道事務所 名豊道路

▲西尾市付近よりセントレアを望む
中部地方整備局名四国道事務所が整備する名豊道路は、知立バイパス、岡崎バイパス、蒲郡バイパス、豊橋バイパス、豊橋東バイパスの5つのバイパスで構成される。
この路線は、名古屋市と豊橋市とを結ぶ全長約73kmの地域高規格道路で、名古屋港、衣浦港、三河港、中部国際空港など、重要拠点へのアクセス道路として、交通・物流を支援し、また名古屋、豊橋間の地域連携と交流を促進すると同時に、高速インターチェンジ、国土軸への広域アクセス機能を持つ重要路線だ。
このため、一般国道23号の知立・岡崎・蒲郡・豊橋・豊橋東の5バイパスの関係市町と各議会が連携し、名豊道路建設推進協議会も設立され、早期完成が望まれている。
▲名四バイパス 豊明ICより名古屋方面を望む
蒲郡バイパス工区を挟む両地区で工事が進捗
名古屋市と豊橋市・浜松市間を結ぶ道路は、東名高速道路を除くと、今のところは一般国道1号と23号しかない。しかし、どちらの道路も交通量は飽和状態であり、各地域で渋滞等が発生している。
そのため、この路線が開通することにより、高い速度サービスが確保され、道路の主要な流れが転換することにより、一般国道1号、23号及び周辺道路の渋滞解消に大きな効果が期待それている。
現在は知立、岡崎、豊橋、蒲郡、豊橋東が事業中で、その中間に位置する蒲郡バイパスは一部未着手の状況だが、これらが開通すると、名古屋〜豊橋・浜松間の時間距離がかなり縮まり、各都市間のアクセス向上で地域の産業や生活に大きく貢献する。
さらに開港した中部国際空港・セントレアをはじめ、名古屋港、衣浦港、三河(豊橋)港など、重要な拠点へのアクセス道路として物流を支援する。そして中心都市としての名古屋市、豊橋市、浜松市と周辺都市との地域連携を促し、さらには新幹線駅や東名高速道路の交通拠点を有機的に連結し、地域間の交流を促進する。
▲西中ICより岡崎方向を望む ▲名古屋方面から芦谷ICを望む
▲蒲郡ICより名古屋方向を望む ▲東細谷ICより名古屋方向を望む
時間短縮効果について
地域高規格道路は、高規格幹線道路の走行サービスに準じる概ね時速60〜80kmで走行可能な道路であるため、一般国道のように信号が無く、立体交差構造になっている。そのためインター以外からの車の出入りはなく、歩行者、自転車による進入の恐れもない。
したがって、概ね時速60km/hの走行速度が確保され、安全かつスムーズな通行が可能となり、名古屋〜豊橋・浜松間の時間距離はより近くなる。見込みでは、名古屋市から豊橋市までは、これまで1時間50分もかかっていたのが約1時間に短縮され、豊橋市から浜松市までは、1時間かかっていたのが40分に短縮されると予想されるため、総合すると名古屋市から浜松市まで約3時間だった所要時間が、この名豊道路・豊橋浜松道路(地域高規格道路)が開通することによって約1時間20分の時間短縮され、わずか1時間40分で到達することができる。
このため、交通条件の向上により、地域住民の通勤・通学の範囲が飛躍的に拡大され、それまで距離や時間の問題で接点の持てなかった地域でも、名豊道路及び豊橋浜道路を利用することで通うことが可能になる。したがって、従来よりも広範囲のエリアから買い物客などが往来したり、他の市町村の病院や図書館を利用することも可能になるため、生活者にとって選択の幅が広がる。
望まれる三河港貨物の効率的輸送
さらに、輸入車の陸揚げ量において日本一を誇る三河港の物流にも貢献する。三河港での自動車の輸出入台数は年々増え続けているが、これまで三河港から陸揚げされたそれらの物資は、一般道路を通って豊川icへ向かっていた。このため豊橋市街地において交通混雑が発生し、45分の所要時間を要すなど輸送効率は良いとはいえない状況にあった。
だが、この路線を利用することによって、従来より約15分も短縮し、わずか30分で豊川icに到達できるようになる。このようにアクセス道路が整備されることで、各都市圈への物流は飛躍的にスムーズになることが期待される。
地域高規格道路名豊道路を構成する各バイパスの概要
知立バイパス 岡崎バイパス
平成元年までに全線を暫定2車線で供用を開始し、平成14年に西中I.C〜豊明I.C間の4車線で供用を開始した。
現在、暫定2車線で供用している野田I.C〜西中I.Cの4車線化を進めている。
平成16年までに、西尾市家武町〜安城西尾I.C間を暫定2車線で供用を開始している。
現在、未供用区間の幸田町内の区間で工事を進めており、芦谷i.c(仮称)までの暫定供用をめざしている。
起終点 安城市域ケ入町〜豊明市岡野町
延長 L=16.38km
計画幅員 W= 19.75m
道路規格 3種1線
車線数 4車線(暫定2車線)
設計速度 80km/h
事業化 昭和47年度
起終点 額田郡幸太町芦谷〜西尾市南中根町
延長 L= 14.59km
計画幅員 W=20.5m
道路規格 3種1級
車線数 4車線(暫定2車線)
設計速度 80km/h
事業化 昭和55年度
蒲郡バイパス 豊橋バイパス
蒲郡I.C(仮称)〜芦谷I.C(仮称)間の約5.9kmで用地取得を進めている。 平成15年度までに、野依I.C〜前芝町(豊川構のみ日本道路公団)は暫定2車線で供用開始している。
現在、前芝I.C(仮称)〜東三河I.C(仮称)間の約4.2kmで工事・用地取得を進めている。
起終点 豊川市為当町〜額田郡幸田町芦谷
延長 L=14.96km
計画幅員 W=20.5m
道路規格 1種3級
車線数 4車線(暫定2車線)
設計速度 80km/h
事業化 平成9年度
起終点 豊橋市野依町〜豊川市為当町
延長 L=17.59km(うち有料区間l=2.79km)
計画幅員 20.5m
道路規格 3種1線、1種3級
車線数 4車線(暫定2車線)
設計速度 80km/h
事業化 昭和48年度
豊橋東バイパス
七根I.C(仮称)〜野依I.C間の約2.2kmで工事を進めている。
また、東細谷I.C(仮称)〜七根I.C(仮称)間の約7.0kmで用地取得を進めている。
起終点 豊橋市東細谷町〜豊橋市野依町
延長 L=9.18km
計画幅員 W=20.5m
道路規格 1種3級
車線数 4車線(暫定2車線)
設計速度 80km/h
事業化 平成4年度
名豊道路の整備に貢献
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