建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年9月号〉

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自然と歴史に育まれた伏見中学校を改築

――福祉のまちづくりに基づいた配慮ある校舎へ

札幌市　伏見中学校

　札幌市は、伏見中学校の改築工事を進めている。同校は、藻岩山ふもとの閑静な住宅街のなかにあり、古くから教育熱心な文教地区として知られている。
　現在地は豊平川扇状地にあって、中学校の敷地としては狭小だったため、今回の改築にあわせて敷地を拡大する。
　既存校舎と同じ３階建の校舎を建築するため、近隣に対する高さ、日影、景観等の影響を抑え、グラウンドも既存のものと同規模にする。以前は屋上にあったテニスコートを、校舎東側に移設し、残った屋上部分を軽歩行可能な屋上開放スペースとして利用する。
　教室を南東、南西に配置することで南側採光を確保し、各フロアを学年単位ごとに配置できるよう、各階6教室とする。特別教室は授業に配慮した適切な配置とし、管理部門については2階部分に集中させる。
　構造は、コンクリートの耐久性を向上させ、建物の寿命を延ばすため外断熱工法を採用。これにあわせて、既存校舎も外断熱改修を行う。
　外装は既存校舎のモダンなイメージを残すため、塗り壁とし窓下部にはレンガを使用。福祉のまちづくり基準に基づき、出入り口付近に障害者用の駐車場を整備し、エレベーター及び車椅子用便所を設置するなど、障がい者にも配慮したつくりとなっている。また、揮発性有機化合物等による室内の空気汚染対策については、建築材料の選定や機械換気などで対応する。