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富山労働局は、平成12年4月に労働基準行政、職業安定行政、雇用均等行政の3行政を一体となって実施するため、組織改編により設置されたが、都道府県労働局の立上げに伴う職員増及び業務面での各種システムの電算化に伴う端末機器の導入が進み、狭隘度著しく、総務部及び労働基準部が入居している富山地方合同庁舎(牛島庁舎)の専有面積だけでは対応できず、職業安定部及び雇用均等室が民間ビル(桜橋庁舎)に入居し分散して業務を行っている状況にある。
また、富山労働基準監督署が入居する富山第2地方合同庁舎(丸の内庁舎)においても同様に人員増、システム導入により専有面積の狭隘度が高く業務に支障をきたいしている状況にある。
こうした狭隘化、民間ビルの借用、組織分散といった現況を改善するとともに、建設敷地の有効活用、利用者の利便性向上などの観点から、業務上密接である労働局と労働基準監督署とを一体的に集約した富山労働総合庁舎を計画し整備が進んでいる。
デザインに当たっては、@まちなみ形成をリードする庁舎A地域に開かれた庁舎B親しみの持てる材料と色彩をコンセプトとした。
@については、壁面後退や敷地 外周の緑化、外部空間の提供などを行い、通り等周辺のまちなみとの調和と将来まちづくり形成に寄与するよう配慮している。
またファサードにおいて「キャノピー」「カーテンウォール」「パーゴラ」の伸びやかな水平ラインで、ヒューマンスケールと庁舎全体に統一感を与えるものとして計画し、素材感のあるタイル壁とガラスカーテンウォールによるシンプルな構成とした。
Aについては、敷地は東に公園、西に民間駐車場があるため、北側の通りに面して「空間の開放性・公共性」が求められることを意識した計画としている。特に「車寄せ」から「エントランス」、「ポケットパーク」への一連の内外空間の連続によって、都市に開いた公共性を表現しており、前述の水平ラインが「ゲートライン」を形成している。
またエントランスから上階へと連続する吹抜けをファサードとし、内部の活動と建築デザインが一体となった開かれた庁舎とした。
南側の集合住宅等に対するプライバシーへの配慮や、狭い道路に対する圧迫感を緩和するため、南側には設備室の配置や庁舎低層部を設けた建築計画とした。
Bの親しみの持てる材料の採用や色彩計画としては、カーテンウォールの方立てを木製にした温もりが感じられる空間演出やエントランスには御影石で安定感と清潔感を与え、張り出したオープンな階段は、軽やかさを表現した。
また外壁タイルは、北側ファサードのタイルと一般部のタイルとで、質感を変えて外観の表情が豊かになるよう計画し、暖色系グレーの採用により暖かみを与えるとともに庁舎として堅牢感を持たせるものとした。
一方、建物内部の計画や性能面においては、『高耐久性』『施設の機能や組織配置の可変性』『環境への配慮』『省エネルギー』などを庁舎の計画に反映し、サスティナブル(存続し続ける)建築を実現する。
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無理のない構造計画によって耐久性を高め、特に大規模地震などの災害時には、応急対策活動が十分に発揮できるような防災機能を有した施設としている。
電気室・発電機室を2階に配置することで水損を防ぎ、災害時でも機能を維持できる設計としている。
施設の機能や組織配置の可変性等
各階執務室はPC梁の採用によって大空間の無柱事務室を創出し、できるだけ矩形平面を確保するとともに、OAフロア採用によりレイアウト変更等に柔軟に対応できる可変性の高い事務室とした。
廊下やトイレなどはコンパクトにまとめ、メインの階段室は各階事務室への出入口の機能とファサードを形成する吹抜けを兼ねる構成とした。
環境への配慮・省エネルギー
2つの階段室の上部と各階事務室窓に設けた給気口による自然換気システムで、空調負荷の軽減や、外気の導入によって執務室の環境を良好に保つことや、窓には複層ガラスを採用することで、窓面の寒暖の熱負荷を軽減し快適性と省エネ化を図っている。
また自然エネルギーの有効活用として屋根に降った雨水を、地下貯留槽に貯留してトイレ等に再利用したり、屋上に太陽光パネルを設置し庁舎の照明等への活用を計画している。
●富山労働総合庁舎建築工事 | ●富山労働総合庁舎電気設備工事 |
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