常磐自動車道（宮城県内）東北自動車道富谷JCTの建設

　東日本高速道路�鞄喧k支社は東北6県を有機的に結ぶと共に関東や北陸との連絡を密にする高速道路ネットワークの建設、管理により地域の活性化に大きく貢献しています。 　このうち仙台工事事務所では常磐自動車道(以下常磐道)の福島宮城県境から亘理ICまでの建設、東北自動車道(以下東北道)と仙台北部道路が連結する富谷ジャンクション(以下富谷JCT)の建設を担当しています。 　常磐道は埼玉県川口市を起点とし太平洋に沿って仙台市に至る全長約350kmの高速自動車道で北関東と南東北の主要都市を高速道ネットワークで連結し、地域の交流と活性化に大きく寄与する社会基盤となります。 　特に降雪量が多い地域を通過する東北道とのダブルネットワーク機能によるリダンダンシーの確保が可能になります。 　常磐道は現在福島県の常磐富岡ICと宮城県亘理IC間（約80km）が建設中であり、全線開通は平成26年度を目標としております。 　仙台都市圏は西の東北道、南の仙台南部道路（宮城県道路公社管理）、東の仙台東部道路、三陸自動車道、北の仙台北部道路により環状道路が形成されます。このうち仙台北部道路の一部東北道分岐から利府しらかし台ICまで6.6kmが未開通であり国交省にて直轄施行中です。この北部道路と東北道が接続する富谷JCTの建設を担当しています。 　環状道路が全線開通することによって、東北道、常磐道、三陸道、山形道のネットワークが形成されることとなり、それぞれの道路の代替機能が発揮されることになります。また都市圏内からの高速道アクセスが容易となり、内陸地域と仙台近傍の仙台港、仙台空港などの交通インフラとの連結が格段に充実することになります。

　この区間は平成10年に事業着手し事業用地の取得が完了した地域から順次工事に着手し現在進捗率が概ね70％に達しています。 　路線は亘理平野を南北に貫いており、構造は盛土構造で河川、県道、JR常磐線を横架する5本の橋梁があり、構造物比率はわずかに6％です。全体の土工量は約250万m3であり、盛土材は地元宮城県、亘理町、山元町のご協力を得て土取り場を提供して頂いております。 　路線の70％は軟弱地盤でありプレロード工法により圧密沈下を促進させたうえでカルバートボックスなどの構造物を施工しています。この区間のほぼ中央部にある鐙川橋は3径間連続の混合箱桁橋です。 　側径間に重量のあるPRC桁、中央径間に軽くて架設の施工性が良い鋼桁を配置して、コンクリートと鋼の長所を複合させた構造となっています。これにより橋長を50m短縮することが可能となり大きなコスト削減につながりました。 　この区間は平成22年半ばの完成を目標にしており今後用地の取得完了を目指すとともに橋梁上部工、舗装工事を進めてまいります。

▲山元〜亘理間盛土完成部の状況	▲山元〜亘理間建設状況（亘理ICから建設現場を臨む）	▲鐙川橋

　この区間は平成18年度から事業着手しました。路線は阿武隈山地の北端部の太平洋側山裾を南北に縦貫します。現在路線測量、土質調査を進めており、来年度から地元の皆様や関係機関との協議を実施しその後用地取得のご協力をお願いしてまいります。完成目標は平成26年度であり、常磐自動車道最後の開通区間の一部となる予定です。

　富谷JCTは供用中の東北道（泉IC〜大和IC間）に位置し東方向へ仙台北部道路を分岐します。 　形式はY型であり、東北道と交差する3橋梁が架設されることになります。供用中道路への安全対策に留意するとともに国交省施工部との連携を密にとりつつ効率的に施工を進めていく必要があります。現在ほぼ用地取得が終了し今後土工工事、橋梁上部工事と順次施工を進める予定です。 　富谷JCTの完成は平成21年度を目標としております。

▲鐙川橋の構造

NEXCO仙台工事事務所では東北地方と関東地方を結ぶ大動脈、そして東北の高速道路ネットワークの整備により地域間の交流、経済の活性化に大きな役割を担っております。地域の住民の皆様はもとより多くのお客様のご支援によって事業を進めております。また地域の皆様とのふれあいの場を大切にしたいと考えており、現場に地域の住民の方々をお招きしてイベントを実施しています。今後とも一層のご協力を頂きますようお願いいたします。

▲富谷JCT　イメージ図	▲橋梁連結式の様子	▲建設現場のめだか保護活動の様子