建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2007年3月号〉

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高規格幹線道路整備や農業農村整備、治山治水対策に重点配分

前年度比6.8％減の6,432億円

2007年度北海道開発予算は、前年度比6.8％減の6,432億7,100万円となった。国費全体に占める「北海道シェア」は前年を下回る、過去最低の9.2%となった。ここ数年、全国の減少幅を上回る減額が続いているが、07年度は道の財政立て直しプラン集中対策期間の最終年度となるため、それ以降は急激な減少に歯止めがかかる可能性もある。
07年度の予算案は、成長力と競争力の強化、安全安心の確保など国や北海道が直面する課題に適切に対処することを念頭に編成され、安全で質の高い食料供給基地の役割強化、豊かな自然環境の保全・継承と観光立国の推進、成長力・競争力強化に取り組む地域支援、少子高齢化・人口減少社会にふさわしい豊かな生活環境創造、安全・安心が確保された地域社会の形成の5本柱が主要施策だ。

農業生産基盤の整備等を通じた食糧供給力の強化に向け、生産基盤の弾力的な整備による、高品質作物の生産支援確立と、担い手への農地利用集積と効率的で大規模な農業経営の確立。また、安全で安心な水産物を供給するため、衛生管理型漁港づくりの推進を目指す。
北海道の豊かな自然環境の保全・継承と観光立国の推進
世界自然遺産知床地域の網走川、野付崎海岸などで環境保全を行うほか、ラムサール条約登録湿地などにおける自然再生事業を行う。また、北海道農業の競争力に向けた生産基盤整備のため、農地再編整備の実施や農業水利ストックの活用・保全等を実施する。
また、近年多発する災害を踏まえた緊急的治水対策の推進、「日本海溝・千鳥海溝周辺海溝型自身に係わる地震防災対策の推進に関する特別措置法」に関連する防災対策の推進を目指す。
このほかに、観光・広域レクリエーションの拠点となる大規模公園等の整備、事業間の連携や地域の歴史的資源となっている施設の整備・活用等を促進する。
地域の発展の基盤となるネットワークの形成
高規格幹線道路・地域高規格道路整備のほか、新幹線の整備にあわせた道南都市圏の函館新外環状道路などの道路網整備、物流効率化のための外貿・内貿ターミナル整備を進める。

災害対策の強化として、千歳川流域の治水対策をはじめとする根幹的な治水施設整備を推進する。緊急的治水対策としては留萌川大和田遊水地、石狩川下流幌向地区堤防、余市川事業を実施する。火山噴火や集中豪雨による土砂災害への対策、荒廃山地などの復旧整備推進や、樽前山などの火山砂防、豊平川などの砂防、特定流域総合治山などを行う。地震・津波についても防災対策を推進する。
災害に強い交通基盤施設の整備と交通安全対策強化のため、緊急輸送道路の橋梁耐震補強3ヵ年プログラムの推進、ランブルストリップスの整備などを推進する。港湾・空港では室蘭港などで耐震強化岸壁の整備を行う。
一方、ソフト面では防災情報共有システムの拡充や、災害時に必要な資機材情報の提供・データベース化等の推進による地域防災力の向上、北海道開発局による防災研週の地元自治体職員への開放や防災支援室による市町村への防災支援等、地域と一体となった防災体制の推進を図る。
ライフラインとなる水道水を確保するため、水質が良好な河川水を上流から取水するためのバイパス管等を設置、水質汚染対策のための水道や高度浄水施設の整備を行う。