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▲苫小牧川遊砂地建設工事 |
▲白老人工リーフ建設工事 |
苫小牧河川事務所は、鵡川・沙流川直轄河川事業、直轄胆振海岸保全施設整備事業と、直轄樽前山火山砂防事業の3事業と、水環境整備事業を担当している。
河川事業としては、鵡川(河口から43km)沙流川(河口から21km)直轄管理区間の河川改修と維持管理を行っている。
平成15年台風10号災害を踏まえ、両河川で河道掘削、樋門改築、漏水対策、低水護岸工事を実施するとともに、河川管理施設の維持修繕を行い、治水安全度の向上と災害対策の強化を推進している。
実施にあたっては、両河川とも、サケ、シシャモの遡上するなど、魚類の重要な生息地で豊かな自然環境に恵まれており「治水と資源」を両立させるため地域と連携し行っている。
水環境整備事業としては、鵡川河口自然再生を、河口干潟の保全と再生をNPOや市民団体の方々と連携し、北海道の豊かな自然環境の保全に取り組んでいる。
今年度は、昨年度に引き続き右岸側に水制工を設置し河ロ部を左岸寄りに戻し、河口の浸食面進行防止を図る。鵡川河口は、シギ・チドリ類などの渡り鳥が羽を休める貴重な干潟であり再生事業に力を注いでいる。
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▲上和泉1号樋門外改修工事 |
胆振海岸保全整備事業は、苫小牧市と白老町の直轄区間、延長24.6kmにおいて、海岸浸食防止のため、人工リーフ、養浜、緩傾斜護岸の工事を行っている。白老工区で2基目の人工リーフを完成させるとともに、樽前工区に緩傾斜護岸を実施している。
樽前山火山砂防事業は、樽前山南東陵の直轄火山砂防区域223.8km2、7河川7渓流に12基の砂防施設を整備するもので、既に覚生川3号遊砂地と錦多峰川2号遊砂地2基を完成させた。
今年度は、苫小牧川と有珠川に遊砂地建設に着手した。
樽前山は、日本で最も活発な活火山の一つで、山麓には苫小牧臨海工業地帯、千歳臨空団地などが形成され多くの企業が集積し、新千歳空港、道央自動車道、JR室蘭線、苫小牧港など、重要な交通機関が整備されている。
このため、噴火した場合には、広い地域に大きな被害が発生するとの考えから、広域火山防災として位置づけ、現在、各関係機関と連携した減災体制・支援体制のあり方について「樽前山火山活動時における初動対応検討会」や「樽前山環境防災教育検討会」を設立、地域防災の向上に取り組んでいる。
当事務所の所掌する、河(治水)・山(砂防)・海(海岸)3事業を通し、「安全・安心な災害に強い地域作り」を地域と連携し推進している。