寄稿
|
釧根地域は、3つの国立公園と2つの道立自然公園、更には知床世界自然遺産と道内有数の自然環境を有しております。また、昨年は、釧路湿原・阿寒・摩周シーニックバイウエイが指定ルートに選定されるなど、釧根地域においては、今後様々な展開が期待されているところであります。
釧路土木現業所では、この釧根地域のすぐれた地域特性を生かしつつ、管内の振興を図るため、環境や景観に配慮しながら社会基盤の整備を進めています。更に平成15年度に釧根地域を襲った大地震など大規模な災害を踏まえ、安全で安心して暮らせる地域社会の形成に向けて、防災・震災対策への取り組みを重点的に推進しています。
▲釧路環状線(武佐大橋) |
平成19年度当初の公共事業費は、事業費140億8千5百万円、箇所数113箇所(対前年度当初比90.8%)です。
道路事業は事業費68億3千万円で箇所数は69箇所となっています。主な事業として、釧根トライアングル構想の一翼を担う根室中標津線において、地域高規格道路の整備を本格的に着手します。羅臼町相泊と羅臼町市街地を結ぶ唯一の道路である知床公園羅臼線では、落石対策を主とした災害防除工事を集中的に実施します。釧路環状線の武佐地区においては、渋滞緩和及び交通ネットワークの強化を図るため、釧路市東部地区と釧路町を結ぶ新たなルートの整備を進めていますが、今年度は、(仮称)武佐大橋の上部架設を実施します。
街路事業は事業費12億4千5百万円、箇所数2箇所で、主な事業としては、「3・3・13星が浦海岸通」において、国道38号線からJR根室本線を交差し釧路西港第4埠頭へのアクセス道路として整備を進めています。
▲標津漁港広域漁港整備工事 |
河川事業は事業費13億5千万円で、箇所数9箇所となっています。主な事業として、久著呂川において、釧路湿原自然再生事業の一環として位置づけられていることから、釧路湿原への土砂流入を軽減するすることを目的とした河道の安定化対策事業に今年度から本格着手します。
砂防・急傾斜・地すべり事業は事業費3億9千6百万円で、箇所数8箇所となっています。主な事業として、雌阿寒岳における火山泥流や土石流など、火山噴火による災害から住民を守るため、観測局機器や通信設備整備など火山噴火警戒避難対策事業を引き続き進めます。
建設海岸事業は事業費10億1千万円、箇所数6箇所となっています。主な事業として、日本最大の砂嘴であり、道立自然公園に指定されているとともに昨年ラムサール条約登録湿地に登録された野付半島を侵食から守るため、野付崎海岸において自然に配慮した自然と共生する海岸の整備を進めます。
漁港事業は事業費24億1千6百万円で、箇所数11箇所となっています。 主な事業として、標津漁港において、「安全・安心」を原点に衛生管理と周辺環境に配慮した整備を基本方針として事業を進めており、今年度は防波堤の整備や取水施設などの整備を実施します。
漁港海岸事業は事業費3億7千8百万円で、主な事業として、標津漁港海岸において、標津町の海洋性レクリエーションスペースの創造を目的としたマリンプラザ事業を支援する形で環境整備事業を進めており、今年度は緑地広場等を整備します。
▲久著呂川中流部で実施する河川安定化対策(落差工)のイメージ図 |