寄稿
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平成19年度の北海道開発予算は、国の公共事業費削減方針などにより、対前年度比約6.8%減と厳しいものとなっており、北海道シェアも昨年度に引き続き10%を割り込んでおります。また、当所の公共事業予算においても、事業費約256億円、対前年度比86.0%と大幅な減となっております。 本年度の主な事業としては、物流ネットワークの整備のため、高規格幹線道路と一体となった道路網の整備や空港・港湾などの物流拠点へのアクセス道路の整備として、新千歳空港線、上厚真苫小牧線、臨海北通(苫小牧市)、穂別インター線(むかわ町)の道路整備事業を実施します。 また、快適な広域観光を支える観光拠点へのアクセス道路の整備として、洞爺湖登別線、倶多楽湖公園線(登別市)の道路整備事業を実施します。
▲虻田漁港 |
さらに、避難路や緊急輸送道路など緊急時に代替性のある道路を整備し、危険箇所などにおける防災対策を推進するため、新冠平取線(日高町・新冠町)、平取門別線(日高町)の道路整備事業を実施します。 このほか、洪水や土砂災害に備えた安全性の高い災害防止施設を整備するため、引き続き総合的な治水・利水対策に向けた厚幌ダム建設事業(厚真町)を推進するとともに、知利別川(室蘭市)、フシコベツ川(白老町)、明野川(苫小牧市)、厚真川上流(厚真町)静内川(新ひだか町)、真沼津川(新ひだか町)、日高門別川(日高町)において、河川の治水施設整備事業を実施します。 また、侵食が著しい海岸の保全対策として、鷲別海岸(登別市)、竹浦海岸(白老町)、黄金海岸(伊達市)、新冠海岸(新冠町)の建設海岸において、護岸や離岸堤などを整備する事業を実施します。
▲浦河井寒台 |
さらに、土砂災害に備えた急傾斜などの施設整備として、室蘭御崎町(室蘭市)、浦河井寒台(浦河町)、えりも新浜(えりも町)の急傾斜崩壊対策事業、山手地すべり対策事業(日高町)、砂防事業は、サテキナイ川(新ひだか町)、ウェンテシカン川(日高町)、貫気別川(平取町)、比宇川(新冠町)、西厚別(日高町)で上流域に流木対策を講じた事業を継続実施します。 なお、月浦川、小有珠川、西山川などの有珠山周辺の火山砂防事業(洞爺湖町)については、本年度でほぼ完成しますが、火山泥流などに対応できる砂防施設の整備として、引き続き樽前山火山噴火警戒避難事業(苫小牧市外)、虻田漁港(大磯分区)地域水産物供給基盤整備事業(洞爺湖町)を実施します。 また、中心市街地活性化に向けて、まちづくりと一体となった街路・道路を整備するため、中島中央通(室蘭市)、美和豊浦(停)線 (豊浦町)、豊浦洞爺線(洞爺湖町)、登別温泉通(登別市)で継続して事業を実施します。
▲倶多楽湖公園線 |
さらに、河川の自然再生事業として、美々川(苫小牧市)において、多様な河川形態の復元や、湿地環境の保全等について引き続き検討します。以上が本年度の主要な事業概要です。 当所としては、地域重視の姿勢を大切にし、胆振・日高地域の特性・潜在能力を生かしながら、地域の皆様が安全・安心して暮らせる公共事業を行うことにより、活力ある地域社会の実現が図られ、安定した地域発展につながるものと考えております。 今後も道だけでなく国、市町村などの関係機関と連携して、事業の重点化、効率化をさらに進め、災害に強い安全でゆとりのある快適な地域の形成を目指して、事業評価、アカウンタビリティーの徹底、コスト縮減や既存ストックの有効活用などの取り組みを一層推進し、自主自律に向けた質の高い社会資本の整備を進めたいと考えております。 また、建設現場の効率化を通じて建設業の経営効率化が図られるよう、当所発注工事において、発注者、施工者、設計者の三者が、設計の考え方や施工時の留意点の確認などを行う三者検討会の本格実施や設計変更の迅速化等に取り組んでいるところですが、今後も経営効率化に向けて様々な視点から検討を進め、行政側が実行可能な方策について順次検討実施していきたいと考えています。
▲新千歳空港線 |
防災体制の強化についても、引き続き安全性の高い公共土木施設の整備や災害時における関係機関との連携強化に取り組むとともに、地域の企業や団体等などと連携を図り、防災体制の充実・強化に努めて参りたいと考えています。 最後に、来年7月7日から9日にかけて「2008年主要国首脳会議(G8サミット)」が洞爺湖地域で開催されることとなりました。名称も「北海道洞爺湖サミット」と決まり、当所としても、今後関係機関や地域との連携を一層密にし、受け入れ体制づくりなどの準備に取り組むとともに、この絶好の機会を地域の発展に活かしていきたいと考えています。