建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2007年12月号〉

interview

そこに住む人のステータスと社会的信用が高まる賃貸マンション

――分譲マンションと同等のクオリティを実現

エスクロー リアル エステート株式会社 代表取締役社長 柳澤 宏氏

柳澤 宏 やなぎさわ・ひろし
昭和43年11月4日 東京都北区にて出生
平成 3年 3月 慶應義塾大学法学部政治学科 卒業
平成 3年4月住友不動産株式会社入社、札幌支店配属
平成13年1月 住友不動産株式会社株式会社 退社
平成13年2月 エスクローリアルエステート株式会社設立 代表取締役社長に就任し、現在に至る
職務経歴
住友不動産株式会社
・平成10年には、用地買収実績において成績優秀者に与えられる社長賞」を受賞
・在籍中、自分で用地買収したのは11物件406戸
エスクローリアルエステート株式会社
札幌市中央区北1条西5丁目 3番地 北1条ビル
TEL011-290-5288

エスクローリアルエステート(株)は、従来のイメージを覆す高級賃貸マンション事業に参入すべく設立された。住宅設備の一つ一つにオリジナリティを追求し、分譲マンションと同等のクオリティを実現することで、旧来の仮住まい的安宿のイメージを払拭し、居住者が我が家として心地よく永住できることを想定している賃貸マンションだ。住友不動産から独立した柳澤宏社長は、「そこに住むことで入居者のステータスと社会的信用が高くなるものでありたい」と語る。
――住友不動産から独立し、今日に至る経緯をお聞きしたい
柳澤
私は東京で生まれ、住友不動産に就職し、最初に赴任したのが札幌でした。学生の頃はバブルの最中で、社会が浮かれていた時期でしたが、就職する年にバブルが崩壊し、入社後1年目に不動産業に対する金融機関の総量規制が布かれたため、情勢は悪化しました。 そのため新規物件の開発は全国的にストップの状況で、どん底からのスタートでしたが、それ以後はむしろ上昇機運の中で新事業に着手できた10年間でした。その10年間は業界事情が変わっていった時期で、かつてはサプライサイドの思考を優先し、顧客本意という発想はありませんでした。間取りも悪く、価格もリーズナブルとはいえず、モデルルームを利用したホームショーも、会場に紅白幕を張り巡らせる旧式のもので、営業手法は古くさいものでした。そのため、私たちの世代から業態改善が始まりました。間取りを改良し、従来のように黙っていても顧客が来るという発想を転換していきました。
▲本社ロビー
――会社を設立して6年になりますが、当初はどのように事業展開しましたか
柳澤
最初はオフィスや店舗開発など様々なことをやってみたかったのですが、勤務していた会社は、マンション開発が専門だったので、本来は店舗が相応しいと思われる土地でもマンションしか造れなかったのです。 そのため、土地に最も適したものをフリーに作りたいとの思いが、独立した動機の一つですが、実際にやってみると、専門性というのはかなり研ぎ澄まさなければ、到底プロにはなれないと感じました。そこで3年後にオフィスを大通のビジネス街へ移し、マンション事業に専念し、がむしゃらに目前の課題に取り組んでいるうちに、札幌の街についての理解が深まり、将来展望が拓けてきたのです。 東京出身であるお陰で、札幌出身者とは違って札幌の良いところも悪いところも客観的に理解でき、その中で良いところを好きになって今日があります。
――札幌の魅力はどんなところにあると感じますか
柳澤
都市として最低限の文化施設やインフラが整っていながら、自然も豊かで住みやすく、都市として適当なサイズであることが最大のメリットだと思います。 しかし、本州でも好きな街だと評価されているのに、それが生かされていないと思います。「遊びに行くなら札幌が一番」と言われている限りは、「住むところとして一番」にはなれません。みな住みたいと口では言うものの、現実には住む人が少ないのが残念です。
――2001年の改正投信法は予測していましたか
柳澤
そうした流れができるとの予感はありましたが、私にとって追い風となったのは、拓銀の不良債権を購入し、次々と精力的にマンションを建てた経験でした。その経験を通じて痛感したのは、北海道は本州からの資金流入がなければ、良い経済展開は生まれないということでした。拓銀は、そのために本州と北海道との重要なパイプ役を果たしていたのだと思います。拓銀が本州から預金を集め、道内での融資先を確保して道内に資金投下していたわけですから、破綻によって、そのパイプ役が不在になるのはまずいと感じました。 前職の時代から、また最近はJ-REITに投資する機関投資家向けセミナーの講師を務めたりするために図書館で札幌について学習した結果、札幌とは外部からの人の流入による人口増加によって活力を生んでいた街であり、ゆえに産業は重厚長大ではなく、人口増加に対応していく産業が発達して成り立ってきたことを理解しました。 けれども、かつては私も含めて札幌や大通の企業は、転勤族が多く活躍していましたが、近年では各社とも支店を縮小、撤退している状況で、マーケットが縮小したから人も減り、そして本州系企業の規模が小さくなっている動向に危機感を覚えています。 そこで、東京や本州から外貨を稼いでくるビジネスをしたいとい考えて興したのが、現在の事業です。実際に、今日ビジネスを成功させている人々は、外貨を稼ぐ発想を持つ人ばかりで、地元で地方豪族化し地元での地位に安穏としながら、小さくなるパイを取り合うというのは無意味なのです。
――拓銀なき後、人口や資本の流出を防ぎ、本州資本を誘致するビジネスは貴重といえますね
柳澤
これを担う企業が他にないので、私は自分の企業とビジネスを地場化していきたと考えています。元から地元に住む人々は、地域を客観的に見るのは難しいものがあるので、冷ややかに投資を判断するリートやファンドを納得させるのも難しいと思います。そこで、そのパイプ役を担っていきたいというのが、私のビジネスに賭ける思いです。 何しろ、北海道内だけで生きている人は、札幌に次ぐ都市は旭川市だと当前のように考えますが、本州人から見れば札幌は全国都市の中でも6番目でしかなく、旭川市は2番目どころか数十番目なのです。それでも投資家が秋田を選ぶか、旭川を選ぶかというときに、旭川を「選んでもらおう」という意識を持つことが必要です。札幌にしても、みな大都市と思っていますが、全国標準で見れば、利便性においてギリギリで「我慢できる程度の大都市」という位置づけであることを自覚する必要があります。 したがって、私のビジネスでも、例えば福岡よりも札幌に利点があることを、福岡にも札幌にも地縁血縁の無い投資家に理解してもらい、札幌を選んでもらうためにどうすべきかという発想がなければ成り立ちません。
▲ホール ▲リビング
――札幌を凌ぐ大都市に劣らぬだけの魅力を、掘り起こしていくわけですね
柳澤
190万人という札幌の人口を当て込んで進出したものの、みな失敗して撤退してしまう状況について、私は個人的な感想を持っています。福岡市では、たとえ100万人単位でも密集していますが、札幌市の190万人は散在し過ぎています。それを単純に190万人の集積都市と考えるから失敗するわけです。実態は100万人弱の集積が中心部にあり、その周辺に麻生や新札幌、真駒内などの10万人規模の衛星都市が存在しているわけで、この実情を投資家に正しく伝えなければなりません。 その上で、私が札幌をアピールする時は、どんな遠隔地でも地下鉄で18分で都心部に行ける一方、それくらいの距離の周辺部には独立し完結した街の機能があり、そしてその周辺には豊富な自然もあるということです。
――札幌の利点や魅力を真剣に考えてピーアールしている事業者がいるのに、札幌市は構造物に高さ制限を設けるなど、支援する姿勢が見られないのは残念です
柳澤
札幌市の財政と札幌経済の再生のために、人口を集めようという意識が低いのではないかと感じます。本州から来た人々が、やがて高層ビルが建ち、人口も増えていくのではないかという繁栄への期待感を、あえて抱かせまいとしているかのようで、人口を増やそうとする政策とは思えません。「昔の札幌が良かった」とノスタルジーに浸るのも良いですが、護るところと開発するところのメリハリが必要だと思います。 札幌市は300万人の人口に到達しない限りは、経済的持続は難しいと思うので、私が市長ならそれを実現するための政策を考えるでしょう。
――その基準に基づくなら、周辺都市の合併も視野に入れる必要があるのでは
柳澤
そうした構想もあり得ると思います。札幌のように、短期間にこれほど人口が増えてきた街は希有で、しかも港のない100万人以上の都市は、世界でも珍しいでしょう。どの都市も地域を広げ、人口を増やした結果であって、神戸市なども山を切り崩し、埋め立て地を増やして人が住むことで成長しました。埋め立てをしていない大都市は、札幌くらいしか無く、港も海も無いのですから人口も独特の増やし方をしなければ無理だと思います。 そこで極論かも知れませんが、江別市や小樽市、千歳市の市民は札幌市に移住してもらうという発想も必要でしょう。市域が広いほど除雪費やインフラの整備や維持管理の経費がかかるため、経済効果が薄れてしまうので、集中させることで集積効果を生みだす発想が必要です。 また、この街は外国人が少ないと思います。外資系企業が少ないために活力が生まれず、仕事がないから住みたいと思えないという二つの理由であるならば、とりあえず住宅だけでも用意し、来てもらえるような環境をマンションを通じて提供したいと考えています。本州の人が札幌に移りたいと思うマンション、年配者が北海道は新天地と期待して移ってくるマンション、外国人が札幌で過ごしたいと思うマンションなど、私たちはそうした需要を喚起するものを作りたいものです。
――現在、主力としているのは高級賃貸マンションですね
柳澤
賃貸マンションを野村不動産レジデンシャル投資法人とニューシティレジデンス投資法人に彼らの投資基準に従ってOEMとして供給していますが、現在は当社が独自に出資して、表参道開発合同会社をSPCとして設立し、北1条西21丁目に建設中の「ニューシティレジデンス円山表参道」に特に力を入れています。世帯総数146戸という大型プロジェクトで、かなりハイグレードのものとなります。完成は来年3月を目指しています。
▲キッチン・ユーティリティー
――価格帯はどれくらいに設定していますか
柳澤
間取りは1LDKと2LDKで、1LDKは7万円台、2LDKが9〜10万円台として、相場よりも高めに設定しています。というのも、住宅設備はINAXやクリナップ製品でも、各社のカタログにないものを大量発注し、全てオリジナルのものを使用するなど、分譲マンションでは当たり前のことを、賃貸でも実現して付加価値を高めているからです。 そもそも北海道の賃貸住宅は、素人の地主がハウスメーカーや設計士などの提案を受けて建てるケースがほとんどで、そのために分譲マンションと賃貸マンションでは、グレードの格差が大きすぎたのです。しかし、最近ではファンド資金が活用できるようになったので、ようやく不動産のプロが賃貸マンションに着手するようになりました。 そもそも賃貸マンションを建てる人の目的は節税でしたから、入居者がなければ節税にならないという意識はあったでしょうが、マンションの供給自体が少なかったお陰で、目の粗いザルに水を入れるように入居者が抜けてもかまわないとの意識もあったと思います。しかし、今後は一度入居した人が、永く住みたいと思うものを作らなければ、新規の入居者を獲得するのは難しいと思います。 一方、ユーザーとしては、永く住みたいと思える賃貸マンションが無いために、やむなく分譲マンションを買っている層もかなりいたのではないでしょうか。しかし賃貸と分譲のレベルが違いすぎたために、比較検討もできない状態だったのだと思います。 また疑問なのは、今日では給与も変動費となっているのに、家計の中で住居費だけが固定費とされていることです。収入が多い時は高いマンションを借り、給料が減ったなら、家賃の安いところに移り住むなど、変動費にしていく柔軟な発想があって良いと思います。
――不動産を持つことで固定資産税が課せられるので、むしろ新しい賃貸マンションを住み替えて暮らそうと考える団塊世代も多いと聞きます
柳澤
私たちも現在は単身向けが主体で、1LDK、2LDKの間取りが中心ですが、マーケットを拡大するには、家族で永く住めるファミリータイプや、健康に多少の不安があるシニア層にも対応するものへ広げていきたいと思っています。やはり、高齢となれば、医療、福祉の充実した都市部に住む方が安全だと思うので。
――それにしても驚くのは、来年の春前に9棟495戸分を一気に完成させるという展開です
柳澤
すでに売却の予約契約が済んでおり、いわば出口が決まった状態で進めたのでリスクはありません。スペックや仕様がしっかりと定まっており、どんなものができるのかを相手に示す形で進めたから出来たのです。 もとより仕様は造りながら決めていくものではありませんから、モデルルームをオープンし、営業のためのギャラリーも用意しました。これは分譲では当たり前でも、賃貸マンションでは考えられないことでしたが、顧客にこの間取りでどう住もうかと考える時間を与えてあげたかったのです。そのため、部屋に小物を置いた場合に、雰囲気がどうなるのかわかるようにもしました。例えば、当社ホームページでは、私たちが手がけている物件の全てについて、間取りをクリックすると自分の手持ちの家具がどこに収まるのかシミュレーションが出来るようにしています。賃貸ではあっても、自分の好きな家具を導入し、本当に自分の住みたい住環境に出来るようにしたいと思うのです。
──賃貸としては画期的な手法ですね
柳澤
従来は竣工してはじめて募集を開始し、希望者は一枚の紙を見せられただけであたふたと決めなければならず、自分の家について考える時間もなかったのです。しかし、モデルルームがあれば、理想的な住環境を考えてもらえる時間も生まれ、さらにコーディネイトもしてあげられるようにすれば、賃貸でも分譲マンションのように夢を広げられるでしょう。 そして転入者に対しては、引っ越しで不要になった家具を出張買い取りし、そこから引っ越し代を捻出して提供するなどのサービスもしています。こうして付加価値を高め、少しは高くても良いと考えるユーザーを対象とする考えです。 そうした顧客の獲得に向けては、高級志向の人達が利用する会社や施設と提携し、互いに顧客を共有する仕組みを作ったり、高級なイタリア料理店を利用する人は、住宅に対しても同じ嗜好を持つと考えられるので、その料理店とも提携して住宅と料理の両分野で共有できる関係の構築を考えています。 私たちとしても、美味しくて洒落た店を利用したいと考える入居者に、その店を紹介できる仕組みを作るなど、異業種間のネットワークを広げて行きたいと思います。このようにして、入居後にもメリットがある事業展開によって、永く住みたいと思われるものにしていきたいですね。 さらに、私としては「近所づきあいが煩わしいからマンション住まい」というイメージではなく、住む人たちのコミュニティができるようなコーポラティブ住宅に取り組みたいと、独立したときから思っていました。居住者らでこぢんまりと楽しいコミュニティをつくり、クリスマスにはみんなでツリーを飾ってパーティーをしたり、バーベキューをしたり、さらには1LDKが主体で、ほどほどに生活のゆとりのある単身者を対象にしているので、棟ごとにパーティーをしたり、カップリングパーティーを主催しても良いでしょう。
▲バスルーム ▲ウォッシュレット付トイレ ▲TVカラーモニター付インターホン   ▲シューズクロゼット
――都会のマンション生活といえば、近隣に無関心でドライな印象がありますからね
柳澤
ハイグレードマンションとなると、入居基準もそれなりに高くなるので、そこに住むことでステータスや社会的信用が高く評価されるものでありたいと思います。例えば、入居者が新たに住宅を購入する場合は住宅ローンの審査基準が緩和されたり、金利面で優遇されるなど、様々なメリットを生みだせないかと考えています。 また、社宅需要やIターン・Uターンの時にも優先的に選んでもらう手法も確立したいと思っています。
──最近は賃貸マンションがやや供給過剰との見方もありますが、ビジネス上の不安要素はありませんか
柳澤
最も危惧しているのは、せっかくこの数年にファンドマネーが流れ込んだのに、その投資が先細りしつつあることです。近年の夕張破綻などの報道によって、本州の投資家の間には札幌の事情も酷いのではないかとの不安感があるため、それは違うことを説明することからスタートしなければなりません。ただでさえ札幌の賃貸マーケットを、全国ベースで○か×かと評価するなら、供給過剰で空室が多いとして絶対に×となってしまうのです。 しかしながら、そもそも分譲マンションの景況が良い時期などは一瞬でしかなく、むしろほとんどは景況の悪い中で凌いできており、一方、リートやファンドで分譲を手がけてきた人も多く、彼らも共通の感覚を持っているので、単に景況だけで分別するのでなく、悪い中でもどこが成功するのか、色分けを提示することが必要です。そうして投下資金を確保し、追加投資も獲得することが課題です。
――建築基準法の改正やJ-REITの導入によって、不動産業務も従来とは変わってきたのでは
柳澤
私たちが手がけてきたビジネスは宅建業の分類で、所管官庁は国土交通省でしたが、リートに売る場合の監督官庁は金融庁なので、金融庁の基準でものを作るよう発想の転換を進めているところです。従来の国交省による建築基準法は、業界を守るための法律なので、特例規定が非常に多かったのですが、金融庁の場合は法律を守る上では特例は認めないという発想なのです。そのため、基準法の規定の全てをクリアしなければならなくなりました。 例えば、マンションはすべて身障者対応でなければなりませんが、基準法ではこの位で良しとする曖昧な規定があるにも関わらず、金融庁は規定がある以上は厳守すべしとの判断なのです。そのため、身障者用駐車場を備えておけば済むと思っていたところ、それだけでなく通路には横断歩道のマーキングをするよう指導を受けたため、駐車場からエントランスまで横断歩道の標識をペンキで描かされました。その他、消防法関連設備についても、かなり厳密に守らなければならないのです。 さらに、事業の進め方や構造などすべてに客観的な基準が求められるので、コーディネイターも導入しています。いままではセンスで進めてきた面がありましたが、外壁の色彩なども、それに決定した理由の説明を求められるので、その根拠となる記録などを全て残しているのです。
▲ニューシティレジデンス円山表参道
――投資者保護の責任から、そこまでの完成度を実現しなければならないわけですね
柳澤
そうです。私たちにとって今後の問題は、オリジナルを作ることが、単なる自己満足かもしれないということです。分譲マンションが高級なのは、規格品を使っていないことが一つの理由ですが、賃貸ではドアの高さも本当は高くしたほうが部屋に合っているのに、高コストになるからと規格品で済ませてきました。しかし、それはおかしいと思っていたので、私は高くても良いから、規格外で窓やドアを大きくし、そこにグレードの違いを追求しているのですが、これに対して顧客が評価し対価を払うかどうかは確信がありません。 また、エントランスを広くし、共用スペースを十分に設けて豊かさを実現していますが、それも「狭い玄関で良いから家賃が安い方が良い」と言われるのか、「趣があるから高くても良い」と評価されるかは、これからの私達の実験でもあるのです。
――9月頃にショールームを開きましたが、見学者の反響は
柳澤
グレードの高さは一目瞭然ですから、見学者は認めてくれているのではないかと思います。
――実際に、従来の賃貸マンションのイメージが覆されましたね
柳澤
逆に失敗したのは、例えば裏参道の物件は分譲マンションと誤認されてしまったために、顧客が来なかったのです。そこで賃貸マンションであることを、これ見よがしに示したケバケバしい幟を立てて、はじめてお客さんに来てもらったという状況もありました(笑)
――それもまた皮肉な話ですが(笑)、そうしたハイグレードな賃貸マンション事業を定着させていく上での戦略と、業界の見通しは
柳澤
当面は、投資家に札幌を理解してもらうことをベースに考えているので、投資セミナーなどを通じて、さらに札幌をアピールしていきます。また、港区では外国人居住率が10%を超え、全国でも平均3〜5%くらいは外国人が居住しているとのことですが、それに至らない大都市といえば札幌以外にはないようですから、やはり遅れていると思います。 近年の東京は雇用確保が難しく、労働市場は売り手市場ですが、多くの法人が不良債権処理のために社宅を売却してしまったので、優秀な人材を確保するために改めて社宅を確保しなければならず、その需要が大きいとのことです。そうした情勢が、いずれは札幌にも見られると思います。特に私が就職した頃は、新卒採用された女性は自宅通勤に限定されていましたが、今どきそんな条件では嫌われますから、一人暮らしを安全に出来るような環境を企業側が提供しなければ、女性を採用できないことになります。そうした情勢が、いずれ札幌でも起きるのではないでしょうか。 そこで、せっかく札幌に来たなら、良いところに住みたいのが、地方や本州から来る人々に共通の希望でしょう。私たちのハイグレードマンションは、そうした人々の希望に十分応え得るものです。
――最後に、吉川英治氏が小説で示した「我以外皆我師也」という言葉をホームページで掲げていますね
柳澤
私が知ったのは電通の創業者が格言に掲げていたものでした。経営理念というわけでもありませんが、会社として成長し、その成果は顧客にお返ししていきたいという思いがあります。
会社概要
商 号:エスクローリアルエステート株式会社
所 在 地:札幌市中央区北1条西5丁目3番地 北1条ビル
設 立:平成13年2月1日
資 本 金:20,000,000円
代 表 者 :柳澤 宏
登 録:宅地建物取引業登録 北海道知事 石狩(2)6680号
業務内容
分譲マンションに関する企画コンサルティング及び開発業務代行
賃貸マンションに関する企画コンサルティング及び開発業務代行
不動産証券化に関するコンサルティング
不動産有効活用に関するコンサルティング
不動産の売買、賃貸及びその仲介

エスクローリアルエステート株式会社ホームページはこちら
HOME