寄稿
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管内の地理的条件など
函館土木現業所は、渡島半島と奥尻島などからなる渡島及び檜山の二支庁を所管しています。
管内は半島ゆえに海岸線が長く、中央を渡島山地が縦貫していることから、大野平野などの一部地域を除き、山地が海岸まで迫る平坦地の少ない地形となっています。このため風浪や土砂災害に弱く、半島を横断するためには峠越えが強いらるなど、交通上は非常に不利な地形となっています。
一方で、駒ヶ岳や大千軒岳などの山々、大沼国定公園と四箇所の道立自然公園など、自然の魅力に恵まれた地域でもあります。
管内の道路交通上の課題等遅れている高速交通ネットワーク網の整備
当管内の中心都市である函館市は、本道の南西端にあり、高速道路が八雲ICまでしか供用されていないため、道央圏と連絡する幹線道路は国道5号のみとなっています。
このため、物流の効率化や観光支援などのためにも、高速交通ネットワーク網の整備が急務とされているところです。
2015年には道民待望の「北海道新幹線」の新函館駅(仮称:北斗市)開業し、その後「北海道縦貫自動車道」の七飯IC(七飯町)までの延伸が予定されております。さらに、高規格道路「函館・江差自動車道」や地域高規格道路「函館新外環状道路」などの整備も進められています。
道としてはこれらの整備と連携し、森IC及び茂辺地ICの供用開始に向け、インター線の整備に取り組んでいるところです。
そのほか、旧南茅部(函館市)の新鮮な海産物の運搬に資する道道函館南茅部線の整備や、北斗市と七飯町の工業団地間を結ぶ、道道大野大中山線の整備に取り組んでいます。
都市内渋滞対策
当管内の人口約50万人のうち、札幌、旭川に次ぐ人口を有する函館市を中心とした都市部に、その4分の3が集中しており、都市内道路の慢性的な渋滞は大きな問題となっています。
道では、湯の川交差点付近の渋滞対策を解消するため、バイパスとなる都市計画道路3・4・47文教通の事業に平成19年から着手したところです。
また、「新外環状道路」の最初のICである赤川インターの供用に併せ効果を発揮すべく、都市計画道路3・3・20放射2号の整備を進めています。
さらに、都市内道路網の充実に向け、都市計画道路3・4・103本通富岡通の国道5号までの整備を平成20年中の完成を目指して進めています。
災害に強い道づくり
地形上の理由から海岸線を結ぶ道道には、越波や落石などの被害が多い区間があり、通行止めにより孤立化する集落もあります。
また、現在は小康状態ですが活火山の駒ヶ岳があり、噴火に備えた避難路の確保などの対策が必要となっています。
そのため、孤立集落、危険箇所の解消、駒ヶ岳関連避難路の整備など、道民の安全・安心のため積極的な対策に取り組んでいます。
道道江差木古内線の早瀬トンネルは、地すべり災害を契機として平成19年度に着手しましたが、完成により、落石のおそれのある箇所を回避することができ、より安全に通行ができるほか、大雨による通行止めや狭くて急カーブの区間の解消が図られます。
道道大沼公園鹿部線は、国道5号と観光地の大沼地区、鹿部町とを結ぶアクセス道路ですが、駒ヶ岳噴火時の避難路でもあり、線形改良や拡幅など隘路の解消に向けて、整備を進めているところです。
また、日本海に面する道道北檜山大成線は、国が整備中の開発道路区間と合わせて全線完成の際には、山周りの国道229号の迂回路として、地域間交流の活性化、災害による孤立地域の解消、「追分ソーランライン」の延長などの効果が期待されます。
そのほか、奥尻島線では二車線化や落石対策による道路交通の確保、小谷石渡島知内停車場線及び岩部渡島福島停車場線では、越波や落石対策による通行止めの解消に向けた取組をしているところです。
終わりに
上記のとおり、管内の道路整備に向けた地域の皆様からの要望も数多くありますが、各市町や各関係機関と十分連携して、より効率的、効果的な事業執行を図りたいと考えておりますので、皆様の御理解と御協力をよろしくお願いします。