【8月10日は道の日】
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▲起点坑口全景 |
萌平トンネルは、道道留萌小平線の留萌市と小平町の境界に位置するトンネル延長488.5m(掘削延長474.5m )のトンネルで、NATM工法、自由断面掘削機を使用しての機械掘削で施工しています。
萌平トンネルは、今は廃線となりましたが昭和14年から16年ごろに作られた天塩炭鉱鉄道の第1トンネルを拡幅して道路トンネルにする工事で、昨年11月から仮設工を施工し、今年の2月からトンネル掘削を開始して、6月20日現在で約295mの掘削を終了しています。
当トンネルの地質は、新第3紀の砂岩、泥岩の互層で構成されており、トンネル延長300m以降の地質は固結度が低く、数箇所の断層の存在が予想され、終点部坑口部には地すべり地形が存在するきわめて複雑な様相をしています。今後、掘削していくなかで、変位が大きくなると予想しています。
▲掘削作業 | ▲ズリ積込作業 |
既設のトンネルは、土圧により両サイドが押されてコンクリートに亀裂が入り、大きく変状している箇所があり既設トンネルコンクリートを取り壊しながらの掘削は細心の注意を払って施工しています。トンネル掘削断面に既設トンネルの木製の支保工が出てくるのを見ると、未個結で切羽の安定しない地山を、機械のほとんどない時代にトンネルを掘った先人の苦労と技術力がしのばれます。
萌平トンネルが完成し数年後に道道留萌小平線が開通しますと、国道232号の地吹雪や越波による交通障害や災害時の迂回ルートとして、上川北部から日本海側の留萌市までの輸送ルートや観光ルートとしてまた留萌支庁南東部からの二次医療機関へのアクセス向上と利便性が高まります。
工事は残りの掘削・覆工・坑口工・舗装工と来年7月まで1年あります。関係各位の協力を得ながら、宮坂・堀口・堀松企業体各社の知識と技術を結集し、“現場第一主義”を現場の基本姿勢として「無事故で」「高品質で長寿命」のトンネルを完成させ、土木工事を通じて地域社会の発展に貢献したいとおもっています。