建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年2月号〉

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「緑立つ道」と愛称される第二京阪道路

――環境や景観に配慮しつつ多機能を発揮するオールラウンドなバイパス

浪速国道事務所 第二京阪道路


▲門真JCT(仮称) ▲門真市沖

 第二京阪道路は、京都と大阪を結ぶ延長約28.3kmの、国道1号のバイパス道路として整備されている。淀川と平行して、京都府京都市から大阪府門真市を結び、京滋バイパス、近畿自動車道等と接続する。
 大阪〜京都間と大阪〜神戸間の幹線道路の現況交通量は、ともに同程度であるにも関わらず、現在は大阪〜京都間の車線数が少ないため、国道1号は慢性的な渋滞が発生している。渋滞を避ける車両が周囲の生活道路などへ流入しているため、地域住民や通学児童らは危険にさらされてきた。そこで、浪速国道事務所は国道1号の慢性的な渋滞解消を目的に、6車線の自動車専用道路と2〜4車線の一般道路からなる国道1号のバイパスとして整備に着手した。
 事業計画は、第二京阪道路の大阪府域17.6qについては昭和44年(一部46年)に都市計画決定したものの、環境に対する関心の高まりを受けて、平成2年4月には関係5市のうち門真市、寝屋川市、四條畷市、4年1月には残る枚方市、交野市の都市計画変更が行われた。
 第二京阪道路は、豊かな「みどり」、風景になる「みち」等のデザインにこだわった周辺環境と調和した道づくりを目指すこととなり、これによって、当初の計画には無かった環境対策が盛り込まれることになった。例えば、自動車専用道路の両脇に植栽帯、副道や自転車歩行者道からなる幅員約20mの環境施設帯を設置することで、騒音、振動、排ガスによる影響を軽減する。また、路面舗装も通常より隙間の多くなる高機能舗装により、路面とタイヤの摩擦音を低減し、また、地区によっては遮音壁を設置するなど、騒音対策は万全を期している。

▲断面図
▲クリックすると拡大したものが開きます。

 舗道部分は段差のないフラットなスペースを確保、車いすの歩行者同士がゆとりを持ってすれ違うことが可能だ。第二京阪道路の幅員は約64〜76mとなるので、災害時には火災の延焼を防ぐ効果が期待できる。また、大阪府の広域緊急交通路にも定められており、災害時には輸送動脈の役割を果たす。
 地下には地下河川、幹線下水道、共同溝(電気、電話、ガス、情報ボックス・光ファイバーケーブル)など、多様な施設が収容され、地下空間の有効活用によって都市空間の美観が向上するとともに、見通しが良くなることで交通上の安全度も高まる。
 一方、移動にともなう所要時間は、従来の一般国道1号を利用して大阪〜京都間を移動する場合は、混雑時には約2〜3時間もかかっていたのが、第二京阪道路が全線供用すると、移動時間が約1時間に大幅短縮される。
 現在は巨椋池(おぐらいけ)IC〜枚方東IC間、10.5kmが供用済。京滋バイパスの全線開通と合わせて、京滋バイパス・名神高速道路という自動車専用道路のネットワークが形成された。このように久御山JCTで京滋バイパスと接続したことで、名神高速道路へのアクセスは飛躍的に向上している。
 平成21年度末には、さらに近畿自動車道へとつながる予定で、地域の期待を背負って全線にわたって工事が鋭意進められている。

▲交野市茄子作・星田 ▲交野市倉地

第二京阪道路の施工に貢献します
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