建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2009年8月号〉

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着々と進む南東北の高速交通ネットワーク

――大笹生トンネルと栗子トンネルで福島市と米沢市を40分で結ぶ

福島河川国道事務所 東北中央自動車道


▲東北地方 高規格幹線道路網整備状況図
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 東北中央自動車道は、福島県相馬市を起点に福島市、米沢市、山形市、新庄市を経由し、秋田県横手市で秋田自動車道にアクセスする約268qの高規格道路だ。  この路線は、東北内陸部の主要都市を結ぶとともに、常磐自動車道、東北自動車道、山形自動車道、秋田自動車道とも接続するなど、南東北における高規格幹線道路網を形成する重要路線だ。このネットワークによって、地域間の交流や物流、そして緊急時の代替機能や迂回機能を発揮することになる。  現在は福島JCTから米沢北ICの区間と、東根ICから尾花沢JCまでの区間を福島河川国道事務所、山形河川国道事務所と一部をNEXCO東日本が施工している。福島JCT−大笹生IC間では大笹生トンネルが着工しており、大笹生ICから米沢ICまでの山形側では、東北一長いトンネルである栗子トンネルに着工する。  その他、中野トンネル、杉ノ平トンネルや橋梁などの工事も進んでいる。

▲標準断面図

 大笹生トンネルは延長2,090mで、この区間のトンネルとしては2番目の規模となる。施工は福島側から着手しており、NATMによる発破工法と、補助ベンチ付全断面掘削工法、上半先進ベンチカット工法によりトンネル本体を掘削。発生土については連続ベルトコンベアによって搬出している。  これまで福島市と米沢市間の移動は、通常ルートの国道13号を利用した場合は1時間、迂回ルートとなっている113号では2時間もかかり、しかも冬期間の豪雪による交通の難所となっていた栗子峠が交通規制された場合は、113号も迂回しなければならず、さらに1時間を要していた。だが、現在の着工区間が完成すると、両都市の移動時間は40分程度にまで短縮されるため、地域の暮らしと経済にとって大きな効果をもたらすものと期待される。



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