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▲北見市端野中学校 パース |
北見市が改築を進める端野中学校(校舎・屋内運動場)は、北見中心部より北北東に約5q、端野町の市街地中心部、国道39号から350m程北西側に入った場所に位置する。周辺は住宅地で地域住民の目が届き、交通量の多い国道からほどよく離れており平均的に通学時間が短縮できる位置にある。また、敷地の北東に公民館、農業者トレーニングセンター、歴史民俗資料館、屯田の杜公園、南東側に太陽つ子児童館などの社会教育施設があり相互に連携を図ることができる位置にある。
端野中学校基本設計を進めるにあたり、北見市の端野中学校改築に係わる基本構想の「施設デザインの基本的な考え」や「旧端野町教育委員会の構想」を踏まえて「田園風景にとけこみ、端野地区のシンボルとなる小・中・地域連携型のエコスクール」とすることを基本テーマとした。
小中学校スペースの共有化により効率の良い施設利用
将来小学校が建設される可能性を考慮し、配置構成は効率良く、かつ機能を十分に発揮することができるよう相互関係に配慮する。特に給食室は小学校の親子方式を想定した設計とした。さらに、校舎・屋内運動場の合築建築とする。
端野地区にとっての「学び」と「ふれあい」の場としてすべての人が使いやすく安心して利用できる施設
地域住民にとって身近な公共施設として、まちづくりの核となり、生涯学習の場として活用を推進できる施設とする。屋内運動場は一般開放と、地域の人々の交流教育を可能なものにする。特に、安心して利用できる施設として、バリアフリーからもう一歩踏み込んだユニバーサルデザインを実現する。
エコ教材の教育(環境と人を大切にした施設)
環境を考慮した学校施設づくりは生徒の環境問題に対する興味・関心を換気させる役割が大きい。
エコ教育の教材として、太陽光発電パネルを校舎のシンボルとして屋上に設置する。また、普通教室の窓にはライトシェルフ(光庇)を設け、昼光利用を取り入れ照明負荷低減による省エネに努める。さらに、光熱費削減として外断熱工法とエコガラスを採用。内部空間は吹き抜け多目的ホールを設け、エコスクールの視点による光や風の自然エネルギーの通り抜け空間として効果的に活用する。
災害時の防災拠点として周辺地域との連携強化
端野地区の災害時における防災拠点・災害避難場所として機能を有する施設とし、構造上は建築基準法の耐震性能を遵守した。避難場所となる屋内運動場は給食室と近い配置で利便性をもたせた。屋外は前庭を設け防災広場としての機能を確保する。さらに、職員室には、非常放送設備など災害時の対応に万全を期す。
端野中学校はエコスクールとしての多くの環境問題に配慮し、優れた機能を発揮する教育施設として注目される。竣工は平成22年春(新学期)新校舎を予定に建築工事が進んでいる。