寄稿
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支庁制度改革により、この4月から札幌土木現業所は空知総合振興局札幌建設管理部という新しい名称になりました。
幌加内町が上川総合振興局に移りますが、それ以外の管轄区域・所管事務はこれまでと変わりません。
新しい体制のもと、これまでどおり、事業が円滑に行われるよう、全力を尽くして参りたいと思います。
幸い、近年札幌建設管理部管内で、大きな災害は起きていませんが、留意していきたいことのひとつに「危機管理」があります。
危機の芽は、日常の仕事の中に潜んでいることが多いと言われており、組織として、危機の兆候を見逃さず、迅速な情報共有を図ることが、的確な対処につながると思います。また、いわゆるタテ割りで物事をとらえ、全体が見えなくなることによって、危機の本質を見失ってしまうことがあります。危機管理に当たっては、組織間の連携をさらに密にしていくとともに、常に住民の皆さまの立場に立って、何が最も大切かを考え、組織の壁を越えて最良の選択を行うよう、日ごろから強く意識していきたいと考えています。
札幌建設管理部は、道央圏の空知総合振興局及び石狩振興局を所管区域とし、人口が約266万人と全道の約48%を占めるなど北海道の政治・経済の中心的な地域となっています。こうしたことから道路・河川など社会資本の整備が、安心・安全ばかりではなく、活力ある北海道の実現のためにも必要と考えています。
平成22年度事業について
平成22年度当初の公共事業費は、310億1千7百万円、箇所数は136か所となっています。
▲一般道道仁別大曲線(北広島市) | ▲月形大橋(主要道道岩見沢月形線)(美唄市・月形町) |
道路事業
道路事業は、70か所115億9千4百万となっており、新千歳空港とのアクセスを強化し、観光振興や物流の効率化などを図る新千歳空港インター線の整備を進めるほか、美唄市と浦臼町を結ぶ美唄浦臼線の美浦大橋が完成することとなっています。
また、江部乙雨竜線の石狩川との交差部に架かる江竜橋は、老朽化が顕著で、補修を繰り返していましたが、幅員も狭小のため、大型車同士のすれ違いが極めて困難な状況で、交通の隘路となっている上、歩道が未整備で危険なため、架け替え工事を進めています。現在、橋の上部工を平成20年度から23年度の4ヵ年債務で実施しており、平成23年度の完成を目指して整備を進めています。
岩見沢月形線の石狩川に架かる月形大橋は昭和30年築造で、老朽化が著しいため、平成16年度から事業に着手し、橋梁本体は、平成24年度の完成を目指して、整備を進めているところです。今年度は橋下部工が完成し、上部工を製作しているところです。
仁別大曲線は、北広島市仁別を起点とし国道36号との交点を終点とする路線で、この区間を整備することにより、北広島市大曲地区における国道36号の恒常化した交通渋滞(主要渋滞ポイント:大曲交差点)のバイパスとして機能するばかりでなく沿線に位置する大曲工業団地へのアクセスが強化されます。
▲JR函館本線連続立体交差事業(江別市) |
街路事業
街路事業は9か所、事業費34億9千9百万円となっており、江別の顔づくり事業と一体で進めているJR函館本線野幌駅付近の連続立体交差事業の高架工事や、岩見沢市の駅前通などの整備を進めることとしています。
JR函館本線野幌駅付近の連続立体交差事業(鉄道高架事業)は、平成22年度も、平成21年度に引き続き、高架本体工事を進めます。
岩見沢駅の駅前通は平成21年度に事業に着手し、平成22年度は、主に用地調査などを行うこととしています。
治水事業
治水関係では、河川事業が、29か所37億2100万円となっており、主な事業としては、徳富川や柏木川等において、自然環境に配慮した河川整備を促進するとともに、千歳川流域河川において、直轄事業と連携した工事及び河川整備計画の策定などを行っており、南9号川の嶮淵川遊水地と連携した河川改修事業を促進します。
ダム事業
ダム事業は、事業費が94億8千9百万円となっています。
当別ダムは石狩川水系当別川に洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水およびかんがい用水の供給を目的とした多目的ダムとして、平成4年度に建設採択、平成20年度から本体工事に着手しました。今年度、本体工事がほぼ完了することとなっています。
▲当別ダム建設工事(当別町)完成予想図 | ▲待合川砂防事業(深川市)沼田奔川砂防事業(沼田町) 待合川の斜路式落差工 |
土砂災害対策
このほか、ソフト対策事業として、土砂災害から国民の生命及び身体を保護するため、土砂災害が発生するおそれがある土地の区域を明らかにし、土砂災害のための対策の推進を図るため、平成14年度から現地調査を進めています。
今後、順次基礎調査を行い、区域指定を進めていきたいと考えています。
今年度の開発予算が10%減になるなど社会資本を取り巻く環境が大きく変わっていく中で、限られた財源で、全道の道路・河川などの整備を進めることはもちろん、これらライフラインの維持管理にシフトすることが重要と考えています。
こうしたことから、道においては、的確で効率的な社会資本の維持管理を実現するため、昨年「公共土木施設の維持管理基本方針」を策定し、この方針に基づき、地域ごとの実施計画を作成しました。
札幌建設管理部におきましても、この計画に基づいて、維持補修についてしっかりと取り組んでいきたいと思います。