寄稿
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はじめに
後志管内は羊蹄山や積丹ブルーを眼下に望む神威岬など多くの景勝地に恵まれ、また、歴史的遺産を活かした「小樽運河」や豪州などの外国人が多数訪れるスキーリゾートのニセコ地区をかかえ、国内外から年間二千万人以上の観光客が訪れる本道を代表する観光圏となっており、果実をはじめ新鮮な農水産物やおいしい水など多くの食資源にも恵まれ、両者を組み合わせた“しりべしの食と観光”の取組みが盛んに行われております。
また、管内では「北海道新幹線の札幌延伸」と「黒松内・余市間の北海道横断自動車道着工」という二大プロジェクトの実現に向け検討が進められており、これらが実現することにより、管内の経済と産業の活性化や生活環境の向上が大いに期待されるところです。
当部では、この後志地域が有する雄大な自然環境を生かし、景観にも配慮しながら事業を推進することをはじめ、検討が進むプロジェクトに的確に対応しながら、安全・安心な暮らしを支えるための交通ネットワークの形成とモビリティの向上や交通安全の確保、自然災害に対する防災対策を推進することで、魅力と活力ある地域づくりを応援し、安全・安心な暮らしに必要な社会基盤整備を効率よく確実に進めてまいります。
平成22年度当初予算(道州除く)
小樽土木現業所の平成22年度公共(補助)事業予算は、88箇所、約96億5千8百万円(対前年度当初比82.9%)となっています。
事業別では、道路事業は、39箇所、46億3千2百万円(対前年比88.8%)、街路事業は、2箇所、7億3千4百万円(対前年比43.0%)、河川事業は、20箇所、22億7千2百万円(対前年比84.6%)、砂防関係事業は、20箇所、11億8千万円(対前年比105.5%)、漁港関係事業は、7箇所、8億4千万円(対前年比90.9%)を予定しています。
▲岩内洞爺線道路改良工事 | ▲臨港線1種改築工事 |
道路事業
広域交通ネットワークの形成と地域産業支援のための道路整備として、余市町と赤井川村を結ぶ余市赤井川線では引き続き冷水トンネルの整備促進を図り、岩内洞爺線では旭台工区(蘭越町)、老古美地区(共和町)が完成の予定です。真狩村の三ノ原ニセコ線、倶知安町山田地区のニセコ高原比羅夫線では新規に改良事業に着手します。
また、北海道横断自動車道余市・小樽間の小樽西ICと小樽環状線のアクセス道路である小樽西インター線の整備を推進します。
安全で円滑な冬期交通の確保のため、倶知安ニセコ線、仁木赤井川線などで雪崩対策や拡幅などの整備を推進します。
歩行者などの安全を守る交通安全施設の整備では、蘭越町の相生蘭越線、ニセコ町のニセコ停車場線など歩道整備を促進します。
災害に対する安全・安心な通行確保のため、古平神恵内線、小樽定山渓線などで地すべり対策の整備を進めます。
▲余市赤井川線道路改良(冷水トンネル) |
街路事業
平成17年から整備を進めていた、札樽自動車道小樽ICと小樽市中心部を結ぶ小樽臨港線の勝納跨線橋架換工事が完成の予定です。
これにより、渋滞が緩和され「小樽運河」や複合商業施設へのアクセスなど観光や交通安全の向上が期待されます。
▲勝納川改修工事 |
河川事業
洪水被害から人命や財産を守る河川整備として、余市川(余市町)、堀株川(共和町)、尻別川(喜茂別町、ニセコ町、京極町)、朱太川(寿都町)では引き続き、掘削や築堤、護岸等、河川環境の保全に努め整備を進めます。
小樽市の勝納川では、環境整備事業として、憩いと潤いのある水辺空間の形成を図り周辺景観に配慮した護岸、散策路等の整備を進めます。
砂防関係事業
砂防事業は、土石流対策として整備を進めてきた小樽市の朝里温泉スキー場沢川や寿都町の宮沢の川、余市町の石切川などが完成の予定であり、新規に小樽市の銭函学校沢川に着手するほか、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定などソフト対策を促進します。
がけ崩れによる土砂災害を防止する急傾斜地崩壊対策事業は、小樽市内において天神3丁目4及び塩谷2丁目1地区の完成を図り、新規に小樽市奥沢1丁目・2丁目地区に着手します。
地すべり対策事業は、島牧村の豊平橋地区が概成の予定です。また、雪崩対策事業は泊村の泊9に新規着手します。
建設海岸では、引き続き小樽市の銭函海岸で離岸堤など整備し、侵食防止対策を図ります。
漁港事業
水産物の安定的な供給と漁業活動の安全・安心の向上を図るため、地域水産物供給基盤整備事業により、管内では神恵内村の神恵内漁港、島牧村の厚瀬漁港・軽臼漁港、積丹町の日司漁港の4港で防波堤など施設整備を推進します。
▲神恵内漁港整備工事 |
漁港海岸事業
積丹町の美国漁港では環境整備事業により、海岸保全と併せて、緑地広場や駐車場など総合レクリエーション機能の整備を推進します。また、寿都町の美谷漁港海岸では災害防止、軽減のため高潮対策により離岸堤の整備を推進します。