寄稿
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留萌管内は北海道の北西部に位置しており、西側は日本海に面し、南北に長さ140km、東西に幅67kmを有する南北に細長い地域です。管内の面積は、約34百kuと鳥取県に匹敵する面積を有し北海道の総面積の約4.1%を占めています。中部の天売島・焼尻島、南部の暑寒別山系が「暑寒別天売焼尻国定公園」に指定され、南北に続く夕日の美しい海岸線など豊かな自然が残されているほか、「留萌のニシン街道」、「増毛の歴史的建物群」、「天塩川」の北海道遺産等の観光資源にも恵まれた地域です。
気候は日本海式気候で、4月下旬の雪解けとともに急速に暖かさを増し、夏季には風も弱く海も穏やかな気候ですが、冬期間は降雪量が多く日本海特有の強風による地吹雪が多発する厳しい気象状況にあります。
管内の課題として、主要産業である農林水産業や観光及び、地域住民の皆様の生活を支える道路交通網は、日本海沿いを南北に縦断する国道231号、及び232号の基軸から上川、空知支庁管内を結ぶ国道40号及び239号を補完する道道名寄遠別線及び小平幌加内線が東側の急峻な地形に遮られ、未だネットワークが形成されていない状況になっています。このため、広域の人的交流や物流の促進に向けて、道路ネットワークの整備が求められています。また、国道が海岸沿いを走るという地理的条件から、特に冬季の高波や地吹雪による交通障害が度々発生しており、緊急時や交通障害の発生時に国道を補完する道路網の整備が強く求められています。
▲(雪-349)豊富遠別線局改工事(防雪柵)2工区 | ▲留萌小平線 改良工事(国債) |
留萌建設管理部の平成22年度当初事業費は、補助事業費と単独事業費を合わせ54億7千万円で、前年度当初予算と比べて11.4%の減少となっておりますが、限られた予算の中で、地域要望を取り入れた重点的、効率的な投資により着実な事業の推進を図って参ります。
主な事業概要は、道路事業では、「交通ネットワークの形成」をさらに充実させるため、国道232号と239号を補完して上川北部圏との短絡ルートを形成する留萌小平線、地域間の交通アクセスの形成をはかる力昼九重線を完成させるとともに、留萌管内と空知管内北部を結ぶルートである達布石狩沼田停車場線の整備を重点的に進めます。また、国道40号と232号を補完して上川北部圏と留萌北部圏の短絡ルートを形成する名寄遠別線の整備を今年度より開発建設部から事業を引き継ぎ整備を進めます。冬期間の安全な道路交通の確保に向けて豊富遠別線、苫前小平線などで防雪柵を設置します。新規事業では、橋梁の長寿命化対策として稚内天塩線天塩河口橋の補修、冬期間の安全な通行を確保するため堆雪幅確保の事業を遠別中川線で着手するとともに上問寒幌延停車場線、名寄遠別線で継続して進めます。
▲初山別川総合流域防災工事 1工区 | ▲暑寒別川砂防工事 1工区 |
治水事業では、「安全で快適な地域づくり」をめざして、平成11年の氾濫を契機に治水対策が強く要望されている古丹別川上流域や初山別川の整備促進を図るとともに、暑寒別川、番屋の沢川の砂防事業、留萌見晴地区の雪崩対策事業などを引き続き進めていきます。
漁港や海岸事業では、「活力ある産業振興の基盤づくり」として、管内の主要産業である漁業の振興を図るため豊岬漁港、臼谷漁港、岩老漁港などで整備を継続するとともに力昼漁港の防波堤補修を新規に着手します。さらに、波浪などによる海岸の侵食を防止するため、真砂海岸の侵食対策(護岸工)を継続して進めます。
今後とも留萌建設管理部職員が一丸となって、広く地域のご要望をお伺いするなどして、選択と集中の視点に立ち、良質な社会資本の整備を効果的に進めるとともに、公共土木施設の維持管理方針に基づいて留萌建設管理部が定めた、平成22 年度維持管理実施計画によって、地域の皆さんはもとより、地域にお越しいただいた皆さんにとっても、安全で安心な、また利用しやすい公共土木施設であるように、維持管理にも努めてまいりますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。