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本工事は、渡島管内知内町の涌元地区と小谷石地区を結ぶ海岸に面した道々において、消波ブロックの改良を延長110mにわたって行う工事です。
この道々は、小谷石地区への道路が他にないことから常に生活道路として利用され、唯一の公共交通であるバスについてもこの道路を利用しています。しかしながら、長年に及ぶ波浪の影響で、海岸に据え付けられた消波ブロックが崩れ、高波の際には道路にまで波が押し寄せ、通行止めになることもしばしばでした。
そのため、消波ブロックの改良を行い、常に安全に通行できる状態に復旧することを目的として工事が発注されました。
施工に当たっては、海岸に据え付けられている既設の消波ブロックを撤去する際も、新たに製作したブロックを据え付ける際も、道路上からクレーンにて作業を行わなければなりません。設計では、ラフテレーンクレーンでの作業を意図していましたが、アウトリガーの張り出しにより、片側交互通行も出来ぬほど道路を占有してしまうため、監督員と協議を行いクローラクレーンでの作業を行うこととしました。
クローラクレーンでの作業を行うことにより、道路占有幅をラフテレーンクレーンよりも狭く設定することができるので、片側交互通行が可能となり、一般車両はもちろんのこと、公共のバスの運行や緊急車両の通行時にも対処することができました。
また、クローラクレーンの待避場を現場内に築造し、作業時間以外の時間帯においては、クローラクレーンを道々から待避させることにより、道路規制を設けずに全開放を行うことができました。
施工に先立ち、地元説明会を開催したうえで、さらに小谷石地区の住民の方々に対し工事期間や施工時の安全対策、通行に際しての協力依頼を記したパンフレットを製作し、家屋一軒ごとに配布して工事への周知と協力を呼びかけました。
地元漁業関係者の漁期の関係上、消波ブロックの撤去・据付作業は1月からでなければ実施できないという工期的な制約があり、厳寒時の施工という厳しい条件ではありましたが、発注者の指導及び工事関係者、地元住民の方々の協力により、無事故無災害で完工することができました。
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