建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2011年7月号〉

寄稿

自然環境と調和した農業・水産業の振興と個性ある地域づくりを推進

オホーツク総合振興局 副局長 岡田 恭一

岡田 恭一 おかだ・きょういち
昭和34年3月16日生まれ 洞爺湖町出身 51歳
北海道大学工学部 卒業
昭和57年4月 北海道庁入庁(函館土木現業所)
平成 7年6月 留萌土木現業所事業部道路建設課道路維持係長
平成 9年6月 道庁建設部道路整備課主査
平成11年6月 北海道開発庁地政課開発専門官
平成14年4月 道庁建設部都市計画課施設計画係長
平成15年6月 札幌土木現業所事業部道路建設課長
平成17年4月 道庁建設部建設管理室建設情報課主幹
平成18年4月 道庁建設部建設管理局建設政策課主幹
平成19年6月 函館土木現業所事業部長
平成20年4月 道庁企画振興部総務課参事
平成21年4月 道庁建設部建設管理局建設政策課長
平成22年4月 現職


1.概要について

網走建設管理部の平成23年度の当初予算は、補助事業等約137億円、単独事業約10億円、きめ細やかな臨時交付金約4億円の合計約150億円となっている。
 当部が所管するオホーツク管内は、世界自然遺産に登録された『知床』やラムサール条約登録湿地に指定された『濤沸湖』をはじめとして、森と湖と海とが調和した豊かな自然を有している。
 この特色のある恵まれた自然環境と調和を図りながら、農業や水産業をはじめとする産業の振興や、安全・安心で個性ある地域づくりを行うため、地域の意向や実情を踏まえながら選択と集中の視点に立って、より効果的・効率的な事業執行に努める。



2.道路関係事業

道路関係事業では、オホーツク管内は、新潟県の面積に匹敵する広い地域に約31万人が暮らす道内でもひときわ広域分散型社会の色合いが強い地域であることから、管内や管外との交流促進や物流の効率化、観光振興などに資する道路ネットワークの拡充整備に努めるとともに、自然災害に対する危険箇所の解消や緊急時の輸送を確保する道路整備、さらには、地域のまちづくりと一体となった道路整備等を推進する。
 都市公園事業では、「道立オホーツク流氷公園」(紋別市)において、「流氷を望み、潮騒が聞こえる大いなる風景 緑豊かな手づくり公園」をコンセプトに、引き続き紋別市と連携して整備を推進する。

<道路事業>
・道路事業では、工事が本格化する清里止別線(清里町)や、遠軽雄武線(紋別市)の橋梁上部、及び今年度秋季の供用に向け、大観山公園線(網走市)の整備を推進する。
・交通安全対策として、北見置戸線(訓子府町)や北見端野美幌線(美幌町)の歩道拡幅、及び地吹雪対策として、遠軽安国線(遠軽町)などで、防雪柵の整備を推進する。
・長寿命化対策として、置戸訓子府北見線(北見市)、北見津別線(北見市)などで、橋梁補修を推進する。 ・その他、遠軽芭路線(遠軽町)、摩周湖斜里線(清里町)、美深雄武線(雄武町)、計呂地若佐線(佐呂間町)などで、線形改良、路盤改良等の整備を推進する。

▲美深雄武線(交-735)改築工事(補正)(繰越) ▲遠軽芭露線(新交-3)災害防除工事(対遠橋)(債務)


<街路事業>
・街路事業では、工事が本格化する3・3・5とん田通(北見市)のほか、3・4・7野上通(遠軽町)などで、引き続き用地補償や本工事の進捗の推進を図る。


<都市公園事業>
・都市公園事業では、「道立オホーツク流氷公園」(紋別市)において、「ピクニック広場」、屋内遊戯施設のある「あおぞら交流館」、大型屋外遊戯施設のある「海と大地の遊び場」などが、多数の利用者で賑わっており、引き続き、ジョギングなどにも利用できる「オホーツクのはるかな道」などの園路の整備を推進する。

▲オホーツク流氷公園整備園路広場整備工事(補正)(繰越)


<空港事業>
・空港事業では、女満別空港(大空町)において、安全対策として、老朽化した滑走路の舗装補修と航空灯火の補修を推進する。


3.治水関係事業

治水関係事業では、近年全国的に多発している集中豪雨や台風による水害、土砂災害等の自然災害に対応する安全性の高い保全施設の整備を推進する。整備に当たっては、(1)安心できる国土の形成(安全)、(2)自然環境と調和した生きている川づくり(うるおい)、(3)個性あふれる地域づくりと連携強化の支援(活力)、(4)人と水のかかわりの再構築(ふれあい)、の4つの柱を基本として推進する。
 漁港関係事業では、漁港・漁場・漁村の総合的整備と水産業・漁村の多面的機能の発揮、消費者ニーズに対応した水産物の安定供給を図るための加工・流通・消費施策の展開に対応する漁港施設の整備を推進する。
 また、海岸整備事業では、国土保全に努め、人命・家屋・財産を高潮、波浪等から守るため、海岸保全施設の計画的整備を着実に進めるとともに、ソフト対策を一体的に推進する。

<治水事業>
・河川事業では、近年の大雨により多大な洪水被害を受けた小石川(北見市)、無加川(北見市)、日吉川(北見市)、斜里川(斜里町)、網走川(津別町)、オシマ川(訓子府町)、佐呂間別川(佐呂間町)、小野の沢川(佐呂間町)、芭露川(湧別町)、生田川(遠軽町)などで、洪水被害の解消のため、自然河川の特性をふまえた環境配慮型の川づくりを目指して改修整備を推進する。
・砂防事業では、土石流などの土砂災害を防止するため、支湧別川(遠軽町)、8線の沢川(佐呂間町)などで自然環境や景観に配慮しながら施設整備を推進する。
・地すべり対策事業では、端野忠志(北見市)で事業を推進する。
・急傾斜地崩壊防止事業では、網走台町地区(網走市)で、事業を推進する。

▲小石川広域河川改修工事4工区(補正)(繰越)


<漁港・海岸事業>
・漁港事業では、常呂漁港(北見市)、斜里漁港(斜里町)、湧別漁港(湧別町)、雄武漁港(雄武町)、沢木漁港(雄武町)、幌内漁港(雄武町)、富武士漁港(佐呂間町)、興部漁港(興部町)などで、品質・衛生管理に配慮し、漁業生産活動の拠点となる漁港施設の整備を推進する。
 さらに、サロマ湖漁港(湧別町)、沢木漁港(雄武町)、興部漁港(興部町)などで、施設の長寿命化対策の整備を推進する。
・海岸事業では、越波や海岸浸食の著しい沢木漁港海岸(雄武町)、網走海岸明治地区(網走市)で、整備を推進する。



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