建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2014年11月号〉
【ZOOM UP】
住民の安心・安全や地域コミュニティと防災強化の複合施設を建設
―― エネルギー源に環境にやさしい地中熱と太陽熱を利用
旭川市 東部まちづくりセンター (仮称 )複合施設新築
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外観完成イメージ |
旭川市が旧工芸指導所跡地に建設を進めている「東部まちづくりセンター(仮称)複合施設」の周囲は、商業施設が集積し、人が集まりやすい環境にある。また、東部地域は市内で最も人口が多い地域だが行政サービスの拠点施設や地域のコミュニティの中核となる施設がない空白地域となっている。 さらに、昭和39年から地域防災・救助活動を担ってきた南消防署豊岡出張所の老朽化が著しいことから、「東部まちづくりセンター(仮称)」「地域包括支援センター」「南消防署豊岡出張所」によって構成される複合施設を整備することとした。
市では、平成25年4月1日に整備基本計画書を策定し、周辺住民をはじめ全ての人々が安心・安全な生活が出来る環境整備を目的に建設を進めることになった。
複合施設建設にあたっては、地域住民の利便性と安心・安全、地域力の向上に寄与する施設とするため、次の事項に基づいて計画している。
1.地域活動の拠点となる施設:
打合せや会議を行うコミュニティスペース、地域イベントを紹介する展示スペースなどを設け、地域活動の拠点となる施設とする。
2.地域に開かれた施設:
地域住民が気楽に訪れることが出来る開放的な設計により人々が自然に集うことができるように配慮した施設とする。
3.利用者にやさしい施設:
高齢者や障がい者が利用しやすいようバリアフリー、ユニバーサルデザイン化とし時代のニーズに合わせた施設設計とする。
4.複合施設のメリットを生かした施設:
東部まちづくりセンター(仮称)・地域包括支援センター・南消防署豊岡出張所の3施設が相互活用できる施設とする。
5.一時避難所として利用できる施設:
事故や災害時に避難を希望する住民を一時的に収容する施設とする。
各施設の基本機能
●南消防署豊岡出張所
救急活動及び災害拡大防止に対する活動の実施とそれに向けた研究訓練の実施をする。
管轄地域ごとの地理・水利の把握・保全に努め、警防計画の立案を行う。
防火査察や防災指導及び春、秋の定期火災予防運動などの消防広報活動を実施する。
●東部まちづくりセンター(仮称)
まちづくり推進協議会などの地域団体や地域づくりに興味・関心のある人の活動拠点となる機能とする。
地域まちづくり活動団体等のサポートを行い、地域の思いを行政につなぎ、行政からの情報を伝える。また、行政窓口サービスなど利便性向上に寄与する。
●地域包括支援センター
高齢者に対する虐待への対応、成年後見制度の活用支援など様々な相談を受け、包括的及び継続的支援を行う。
高齢者が暮らしやすい地域とするために、関係機関とのネットワークづくりを行う。
社会福祉士、保健師等専門職が連携し高齢者の支援にあたる。
一方、施設のエネルギー源は、CO2の排出を抑制し、環境にやさしい地中熱を利用した冷暖房システムや災害時のバックアップ電力として太陽光発電・蓄電システムを採用する。特に、地中熱冷暖房システムは地下50mから100mの温度が5〜15℃と年中一定であることを利用した新システムとして注目される。
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