建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2016年11月号〉
寄稿――現場代理人の目「建設現場の最前線から」 北海道建設部 札幌建設管理部
望月寒川広域河川改修工事(放水路トンネル)
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大成・岩田地崎・豊松吉工業特定建設工事共同企業体 望月寒川シールド作業所 所長 河村 成範 |
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私たち大成・岩田地崎・豊松吉工業特定建設工事共同企業体は、北海道空知総合振興局発注の「望月寒川広域河川改修工事(放水路トンネル)」の施工を行っております。望月寒川は、都市化などによる河川への流出量の増大により流下能力が不足し、平成12年、14年、26年と近年においても浸水被害が発生しています。望月寒川は、住宅が密集している市街地を流下しており、現況河道を大きく拡幅することは困難です。このため、大雨出水時、望月寒川上流部の流水を放水路トンネルにより豊平川に放流し、下流域の溢水被害を軽減させることを事業目的としています。平成26年度より放水路トンネル及び流水の取り入れ口である呑口本体工を主体とした本事業が始まりました。
当工事は、平成26年度から平成31年度までの5年間で、延長1,893m、仕上り内径φ4.8mのトンネルを泥土圧式シールド工法により建設します。又、呑口本体工は、地上から最大深度17m、最大壁厚1.3m、最大頂版厚1.2m、内空容積5,580m3のコンクリート構造物を地下に築造し、流水の取り入れ口として巨大な地下空間を建設します。
現在、吐口部はトンネル掘削断面に支障となる落差工の撤去工事及び日本初のφ2.0m鋼管回転圧入工法を採用した護岸工事が完了しており、呑口本体の構築工事は、約50%が完了しています。また、シールド工事は、平成29年5月に掘進開始予定であり、現在はシールド機の製作を行っています。呑口本体工の掘削工事では、深度17mまで掘削を行った際、礫径80cmを超える巨礫(玉石)が多くあり、地下湧水も多く発生しました。今後、シールド機で地中を掘り進んでいきますが、巨礫や地下水の影響で工事が難しくなることも考えられます。土木工事は多くの自然と向き合いながら工事を進めるのが特徴です。そのため、シールドの掘進時は、総合的な管理を行って安全で確実な施工に努めていきます。
地域環境への配慮としては、吐口部(発進部)、呑口部(到達部)とも閑静な住宅街で工事を行うため、騒音対策として防音ハウス、防音壁を設置し工事を実施しています。
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近隣への配慮としては、毎月工事に関する進捗や予定を記載したかわら版(望月寒川通信)を配布するとともに、意見や要望等を確認し改善しながら工事を進めています。また、夏、冬のお祭り等の地元行事には積極的に参加させていただき近隣の皆さんと交流を図っています。
閑静な住宅街での工事ですが、早期完成を目指し品質の高いトンネルを無事故・無災害で完成させるよう努力しています。
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