巻事務所の所管区域は、新潟平野の中央部に位置し、東側に信濃川とその支流の中ノ口川、北西側に霊峰弥彦山を主峰とする弥彦、角田山系とそれに連なる新潟砂丘を隔てて日本海に接し、南側は大正13年(1924年)に竣功した大河津分水路に囲まれた2市、4町、6村にまたがる東西15km、南北35km、総面積431平方キロメートルの長楕円形の地域である。
区域内に広がる西蒲原平野では稲作を中心とした農業が営まれているが、かつては低平地で沖積層の特徴である湛湿田の状況が続き、排水条件も劣悪で、先人のたゆみない努力によって穀倉地帯としての基礎が形成されてきた。
しかし、戦前までの排水改良事業は小ブロックごとに実施されたため、上流部の排水が下流部の悪水となって、上・下流部の対立を引き起こしてしまった。
そこで戦後は、体系的な取り組みとして、これまでに国営新川農業水利事業、国営鎧潟干拓事業、国営附帯県営かんがい排水事業新川地区、県営ほ場整備事業、県営地盤沈下対策事業等、排水改良をはじめとする農業基盤整備を進めてきており、現在も農業農村の質的向上をめざして各種事業を実施中である。
今後は、農業情勢に対応して担い手対策と併せた大区画ほ場整備の推進、農業用水の合理化、水質環境の改善等効率的で住み良い農業農村の建設に向けた取り組みを進めることとしている。
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▲地盤沈下による用水路の機能低下<着手前> |
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▲用水路改修により従前効用の回復を図る<着手後> |
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