建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2001年12月号〉
シリーズ・コシヒカリのふるさと
新潟県の農業農村整備 |
荒川頭首工の護床工改修に着手
村上農地事務所
▲荒川頭首工
村上農地事務所管内は、新潟県の最北端に位置し古来より“阿賀北”(一級河川阿賀野川)と呼ばれ、鎌倉時代には「瀬波郡」としてその名が記録されている。地勢は、南に連なる飯豊連峰・朝日連峰を源とし日本海に注ぐ一級河川荒川及び二級河川三面川によって形成された平地と、2つの山塊からの支川に開けた中山間地となっている。
農業農村整備事業の展開は昭和30年代から平地を中心として二大河川を水源とした用水改良(県営かんがい排水事業)が進められ、頭首工から農地への用水路網が完成した。
その後、水田の汎用化と畑作との複合経営の推進のため、排水改良(県営湛水防除事業)に並行して「21世紀型」「担い手育成型」圃場整備事業が最盛期を迎え、平成に入ってから管内水田面積8,000haの1/3の整備が進み、平地における水田整備率は飛躍的に上がった。
しかし、管内の1/3を占める中山間地域の基盤整備と農山村の現状は、全国の例に違わず耕作放棄地の増加と高齢化が進展しており、農地を保全し農村の活性化を担う農地事務所の大きな課題となっている。
そこで、平成10年度に中山間地対策の切り札として、「県営中山間地域総合整備事業・関川地区」が着手され、生産基盤及び環境基盤の両面から整備を図ると共に、活性化施設(農村文化交流センター)は他の関連施設と連携し、地域の交流と情報の発信に重責を担うものと期待されている。平成14年度からは、さらに2地区が追加され実施する予定だ。
管内の基幹農業水利施設である荒川頭首工は、3,400haの受益面積を持つ。しかし、築造から30余年を経過したことから、1級河川荒川の河床低下に起因して下流護床工(4トン3連ブロック)の損壊・流亡が著しく、早急な対策が求められている。
平成12年度に農業用河川工作物応急対策事業の採択を得て、護床ブロックと魚類等の生態系に配慮した魚道ブロック約6,000個を製作し、平成14年度及び16年度の2ヶ年間で設置する計画だ。