建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年1月号〉

シリーズ・コシヒカリのふるさと
新潟県の農業農村整備


信濃川左岸地区で用水管理体制を整備

長岡農地事務所


▲ほ場整備事業 桐島・桐原地区

 長岡農地事務所の所管区域は、新潟県のほぼ中央の長岡市を中心に、栃尾市、三島郡(越路町、三島町、与板町、和島村、出雲崎町、寺泊町)、古志郡山古志村の2市5町2村にわたる757q2の区域である。
 東西に山地、丘陵地を配し中央の沖積平野を信濃川が南北に貫流。東部の山古志村及び栃尾市の一部では山間高冷地的な条件を有している。西部丘陵を越えると中山間地を含む平坦地と海岸地帯がひらけ気候風土も変化に富んでいる。
 平年積雪は海岸に近い地域では30p以下であり、中央の長岡市は100cm前後だが、越後山脈の下にある山古志村は350cmを超え、克雪と活雪が大きな課題となっている。
 長岡市の年平均気温は約12.5℃、最低気温は1〜2月で約-2.5℃前後、最高気温は7月下旬〜8月に32℃前後になる。年間降水量は2,550mmと多く、湿度は高い。最深積雪は平均136cm、根雪期間は平均85日となっている。

■主要事業 国営信濃川左岸二期農業水利事業

 当事務所では、農業の近代化・合理化を促し、農業生産性の向上、農業経営の安定を図るための様々な事業を進めているが、管内を代表する事業が、昭和54年から平成7年に渡り、総事業費約209億円をかけて行われた本事業である。
 信濃川左岸地域は、越後平野の西南部に位置する田畑約4,900haの地帯であり、その用水は信濃川及びその支流である渋海川、黒川から取水している。
 この地区の用水施設は、「国営信濃川左岸農業水利事業」として昭和21年度から昭和39年度にかけて頭首工2ヵ所、幹線用水路40kmを整備し、用水の安定を図った。しかしその後の営農形態とほ場整備計画による水利用の変化に、既存の用水施設では対応できなくなっていた。
 そこで、本事業において、こうした用水施設を改修し、将来の営農にも適合した用水の安定供給と、用水の合理的配分を図るための用水管理施設を整備し、全域的な用水管理を行う体制を整備した。
 この他、現在、同事務所では、県営事業としてほ場整備事業・桐島桐原地区、農免農道整備事業・栃尾地区、湛水防除事業・大河津地区などの事業を通し、農業基盤の整備を順次進めている。