建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年12月号〉

シリーズ・コシヒカリのふるさと
新潟県の農業農村整備


生産コストの低減と中山間地の農業基盤整備を推進

佐渡農地事務所


▲ほ場整備事業 新穂村西部地区

 佐渡農地事務所は佐渡島の1市7町2村を所管区域とし、管内の農業基盤整備事業・農村生活環境整備事業・農地防災事業の実施と農用地の調整事項を担当している。
 佐渡島内では、第4紀層に属する肥沃な国仲平野と大佐渡山脈・小佐渡山脈沿いの山間部で農業が営まれている。肥培管理も容易で農耕に適した平野部に比べ、山間部では狭小な棚田が多く、水路・農道などの整備が遅れており、農作業に多大な労力を要し、生活環境整備が遅れている。
 農地面積は11,800haで、佐渡全島の13.8%を占めており、このうち、6,000haに及ぶ国仲平野の農地は大部分が水田となっている。なお、佐渡の農業粗生産額のうち水稲が71.9%を占めている。
 水田の整備状況は平成12年度末で51.1%となっており、まだまだ充分とは言えない。
 佐渡島は年間降水量が1,739mmと県平均に比べて2/3程度と少なく、用水不足となることも多く、これを補うため水源確保が必要となっている。そのため、現在までに県営事業で新穂ダムをはじめ7ヶ所のダムの建設や多くのため池改修が行われた。なお、新たに国営かんがい排水事業佐渡地区でダム建設により水源開発が進められている。
 また、ほ場整備事業や中山間地域総合整備事業で生産基盤と生活環境基盤の一体的整備を行うことで効率的安定的な経営体による農業構造の確立が図られ、さらに、この他にも農道整備事業や地すべり対策事業も併せ行われている。
 佐渡農地事務所では、活力ある農業を実現するための生産基盤整備や快適で美しい田園空間を形成するための農村整備、並びに安全な県土を維持形成するための保全管理など、佐渡島の実状に応じた農業農村整備事業を実施していく。


▲一般農道整備事業 真野西部地区 三貫目大橋