建設グラフインターネットダイジェスト

札幌ドーム建設最前線


世界初の空気圧芝入れ替えシステム『ホヴァリングステージ』と、“ライフサイクルコスト”提案を引っさげた新世紀ドーム

4月から屋根本体を形づくる骨組みに着手

愛称は『HIROBA(ヒロバ)』に決定


“クロープンシェル”に覆われる「closedアリーナ」の原型が浮かび上がる(平成11年2月撮影)

 1月から募集していた「札幌ドーム(仮称)」の愛称発表および当選作表彰式が3月24日に行われ、市内南区在住の会社員・金沢永吉さんの応募作「HIROBA(ヒロバ)」に決定した。応募総数は7,722通(4,966作品)に上った。
 選定の理由について、愛称選定委員の白井栄三委員長代理は「横文字になる傾向が強いなかで、日本語の原点に戻ることはとても大切なこと。この作品は、施設の持つ集客性と、あるべき姿を端的に表現している」と説明。
 引き続き、桂信雄札幌市長は、「大変にすっきりとした印象。HIROBAがW杯サッカーを通じて国際語になる可能性も十分にある」と感想を語った。
 受賞した金沢さんは、「小さいころに遊んだ広場の持つ温かいイメージを思い出した。しがらみのない楽しい場所になれば」と、ドームに寄せる思いを話した。
 2002年W杯サッカー開催地となる札幌ドームは、前方後円墳の形をしたフィールド上に、ドーム屋根となる“clopenシェル”に覆われた「closedアリーナ」と、それに隣接する屋外の天然芝「openアリーナ」で構成されている。
 ドーム部分の最高高さ約60m、全長約430m、幅約220mとなるだ円形をしたやさしく柔らかいスマートな雰囲気が特徴的なドームだ。
 収容人員は、W杯サッカー時42,122人、Jリーグ時約42,800人、プロ野球時約42,600人で、本体工事費に約350億円を投じるビッグプロジェクト。
 設計は、設計・技術提案競技(コンペ)により、「原広司(東京大学生産技術研究所教授)グループ」の作品が選ばれた。特に、天然芝と人工芝の入れ替えシステムに圧縮空気を使う世界初の“ホヴァリングステージ”を導入することで、注目されている。

屋根部分の鉄骨工事(平成11年3月20日撮影)

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