平成17年 北海道首長選挙
全道の首長数は昨年より4人減の208人
今年も市町村合併で首長の数は減る傾向にある
昨年12月に1市4町村が合併し新・函館市が誕生した。北海道全体で212市町村から208市町村に数が減り、今年も幾つかの市町村の合併が計画されており全国一の首長数二百人台がいつまで続くか注目されている。
今年の首長選挙は44市町村で予定され、市長選挙が3市、町村長選挙は41町村で行われる。任期途中の選挙では、昨年暮れに合併関連で辞職に追い込まれ、道内で初めての合併引責辞任首長が出た南幌町で予定されている。
3市で改選が行われ、注目の北広島市は4選(多選)なるか
前回の市長選挙は、いずれも現職が無投票で再選並びに3選を果たしている。7月22日に任期満了を向かえる北広島市の本禄哲英(74歳)市長は、平成5年7月に現職の久保武(1期)町長(当時・広島町)を破って町長に就任。その後の、2選、3選は無投票で当選を果たしている。道庁OBの本禄市長が、このまま4選に向けて出馬するか、また3期で勇退するか、注目されている。
恵庭市の黒氏博実(58歳)市長も初戦は現職との戦(平成9年11月)いで、同氏は自民党道連の全面的な支援を受けて初当選を果たした、その後、2選目は無競争。また、紋別市の赤井邦男(63歳)市長も初戦(平成9年6月)は一騎打ちの選挙戦で初当選を果たし、2選目は無競争だった。
南幌町では合併関連で初の引責辞任に伴う町長選挙
前回は収賄・入札妨害などで現職が逮捕さ、出直し選挙が2町で
任期途中による町長選挙は南幌町で執行される。同町では昨年暮れ、現職の井澤町長が政治生命を懸けた合併関連議案を同町議会に提出、しかし賛成少数で否決。予定された栗山町と由仁町の3町合併が頓挫し、同町長の責任問題に発展し辞職に追い込まれた。また、鹿部町の松本町長も責任を取って再選出馬(平成17年2月改選)を断念している。
平成13年では、任期途中の首長選挙は5町で執行された。災害復興を成し遂げた奥尻町の現職・越森幸夫(70歳・7期途中)町長が競争入札妨害(公正な競争・入札を妨害する行為)の疑いで逮捕(平成13年1月20日)。同氏は今回で2回目の逮捕で、前年(平成12年)9月に改選で7選を果たしたばかりだった。わずか半年後の出直し選挙(3月18日)は、越森町政後継の雁原徹(58歳)前助役が、同じ新人2人を大差で破り初当選を果たしている。
また、上士幌町では現職の西尾敏幸(48歳)町長が収賄の疑いで逮捕(1月30日)。道内最年少で町長に就任(平成3年5月)したが3期途中での不名誉な辞職となった。同町の出直し選挙(3月25日)は、同町役場出身同士の一騎打ちとなり、竹中貢(52歳)同町元教育長が、前建設課長に競り勝ち初当選を果たしている。
寿都町の現職・升田重蔵(66歳・2期途中)町長は病気で辞職、その1ヶ月後(10月5日)に死去。同町長選挙は、身内同士の町を二分する激しい争いで11月18日投開票され、片岡春雄(52歳)前同町保健衛生課長が、前教育長を破り当選を果たす。
また、入退院をくり返していた利尻富士町の現職・安達敏夫(71歳・5期途中、平成16年11月11日死去)が10月10日退職願を提出。同町長選挙は身内同士の激選(11月25日投票)となり、吉田勤(58歳)同町前教育長が45票差で、前助役を破り初当選を果たしている。
妻の介護のため辞任を決意し議長に退職届を提出し受理(3月30日)された、仁木町の現職・藤田清志(64歳)町長は2年半の任期を残し妻の元に帰った。5月13日の同町長選挙では三浦敏幸(52歳)同町前助役が、同じ新人の薬剤師を破り初当選を果たしている。
前回は多選論・3期論などで勇退者が多かった
中札内村の現職・小田中刻夷(66歳・3期)村長は定例村議会で「多選を避けたい」と不出馬を表明。また、多選批判で平成元年に初当選を果たした厚岸町の現職の沢田昭夫(66歳)町長は、12年間(3期)町長を務めて勇退「3期けじめ論」。8期32年間村長を務めた猿払村の笠井勝雄(77歳)村長は、改選1年前(平成12年11月)に引退を表明し任期満了で勇退した。
しかし、剣淵町の現職・大澤秀了(76歳)町長は平成13年11月27日告示の町長選に立候補し、無投票で道内最多選の9選を果たした。同氏は平成17年12月18日に、9期目の任期満了を向かえるが、10選を目指すのか今のところ進退を明らかにしていない。現在道内で最も最多選の首長は剣淵町を含めて3首長で、森町の湊美喜夫(76歳・任期満了は平成19年4月30日)町長9期と、えりも町の佐々木隆人(77歳・任期満了は平成19年12月22日)町長9期で、同じ自治体で三十数年間も首長を続けている。また今年(平成17年)の首長選で7期の新篠津村長、加賀谷強(76歳)氏が7月9日に任期満了日を迎える。
平成13年の改選で唯一現職が敗れたのは当別町だけで、新人の泉亭俊彦氏が再度挑戦し、現職の伊達寿之町長を破り雪辱を果た。