食彩 Speciality Foods

〈食彩 2008. 9.18 update〉

寄稿

米所空知の農業・農村の確立をめざして

――地域の実情やニーズに即した基盤整備

空知支庁産業振興部 整備課長 大友 富美男

大友 富美男 おおとも・とみお
昭和27年5月22日 栗沢町生まれ
昭和46年 岩見沢農業高等学校 卒業
平成 8年4月 根室支庁農業振興部耕地課施設整備係長
平成10年4月 環境生活部環境室環境生活課みどり対策室主査
平成12年4月 農政部農村整備課主査
平成14年4月 農政部農地整備課かんぱい係長
平成15年6月 空知支庁北部耕地出張所長
平成18年4月 上川支庁産業振興部整備課主幹
平成20年4月 空知支庁産業振興部整備課長

空知の概況
位置・面積
 空知支庁は、北海道の中央部よりやや西方に位置する広大な内陸地帯で、東西約70km、南北約180kmに広がり、中央に石狩川が縦走し、上川、留萌、石狩、胆振の各支庁と接しており、10市15町で構成されています。
 総面積は約6,558km2で、全道の約8%を占め、ほぼ島根県に匹敵し、東京都の約3倍の広さになります。

人口・産業
 管内の人口は、昭和35年の824,386人をピークに、炭鉱の閉山などに伴って減少し、平成17年の国勢調査によると365,563人(ピーク時の44%)となり、全道の6.5%となっています。
 平成16年の産業別人口は、第3次産業が最も多く82,573人(70%)、第2次産業が32,680人(28%)、第1次産業が2,809人(2%)となっています。(第1次産業は、個人経営を含まない。)また、管内の農業は、基幹的農業従事者数が、20,439人で重要な位置を占めています。

全道における空知農業の位置づけ
 空知の農業は、稲作を中心に地域条件に応じた様々な農業が展開されており、農業産出額で米と花卉は全道第1位、果実、野菜、麦類、雑穀・豆類も2〜3位を占め、炭鉱の閉山に伴って、地域経済に果たす農業の役割は一層重要なものになっています。

事業の概要
 農業農村整備事業は、土地生産性や労働生産性を高め、農業経営の安定・向上、農村生活環境の整備を通じて、緑豊かな農村地域社会を築くことを目的とした事業です。
 また、クリーン農業の推進、冷災害の克服、担い手農家への農地利用集積の推進などの実現に向けた取組も積極的に行っています。
 なお、近年は、自然環境や公共事業に対する道民の関心の高まりを受け、道では、豊かな農村空間を創造するため、「安全・安心な食の生産をささえる」、「多様な担い手と地域をささえる」、「多様な生物との共生や美しい景観をささえる」の3つの整備方針を基本とした新たな農業農村整備の展開方向を示す「北海道農業農村整備推進方針」を策定し、空知支庁管内においても、今日まで整備方針実現のため数多くの取組を展開しています。

▲東部耕地出張所 広域農道 空知東部南 第51工区 ▲東部耕地出張所 経営体 浦臼 第31工区 ▲東部耕地出張所 経営体 西川中 第1工区
▲南部耕地出張所 経営体 新双誠 第51工区 ▲南部耕地出張所 かん排 西長沼 第5工区 ▲南部耕地出張所 経営体 下岩内北外2 第5工区
▲北部耕地出張所 経営体 納内南 第31工区 ▲北部耕地出張所 農免農道 向東 第1工区 ▲北部耕地出張所経営体 南竜 第4工区

事業の実施状況
 管内において、平成20年度に実施する農業農村整備事業(道営事業)の事業費は、115地区(国営造成施設管理18地区含む)で約150億円(当初予算)となっており、全道事業費の概ね30%を実施していますが、GUR対策予算及び景気浮揚対策予算などに伴い大幅に増加した平成8年度をピークに40%程度まで減少しています。
 なお、20年度に管内の各自治体、土地改良区、及びJAが実施する農業農村整備事業(団体営事業)は、83地区で12億6千万円となっており、農務課所管事業の畜産担い手事業(公社営事業)は、2地区で6億2千万円を予定しています。
 二百万石の道内有数の米所である管内の道営事業の特徴は、直接水田基盤を整備する経営体育成基盤整備(48地区)、地域水田農業再編緊急整備(7地区)及び農地集積加速化等基盤整備(11地区)の3事業で76%を占めており、21年度以降は、農地集積加速化等基盤整備事業に新規希望が集中しています。
 その他、かんがい排水事業(9地区)、農道事業(7地区)、農地防災事業(7地区)等の事業も含め、東部(美唄市峰延)、南部(栗山町継立)、北部(深川市)の各出張所で計画的に整備を行う予定です。


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