この地区は、車滝、梯子滝、雲間の滝などの優れた景観と雷電温泉などがある観光地となっているほか、平成2年7月にフェリーが就航した岩内港のアクセス道路として、農林水産資源などの輸送に重要な役割を果たしている。 また、地域住民にとっては生活を支える重要な生命道とも言うべき路線となっている。 しかし、海岸沿いの急崖地形を縫うような線形であることから、一日も早い安全な路線の実現への要望が強くなっている。 このため、北海道開発局小樽開発建設部では平成2年度から、カスベノ岬付近を山側に迂回する新ルート「カスペトンネル」に着工し、平成9年から本坑掘削を開始している。本坑延長638m、幅員10.25mの計画で、NATM工法による掘削が行われる。 工事を担当している西松・三井JVの長政肇所長は、「現場は、現道が近く、法面での作業もあるため、特に交通災害防止や転落防止の安全対策に努めている。また近くに雷電温泉があるので、騒音防止等、周辺環境への配慮も重要な課題となっている。無事故で、一日も早い完成を目指したい」と話している。 |