設計者:株式会社久米設計(日本)[総括代表]
Thompson,Ventulett,Stainback,lnc(アメリカ)
建設会社:前田建設工業株式会社(日本)
雙龍建設株式会社(韓国)
ドーム本体と北西敷地境界の離隔距離を十分に確保したうえ、北西敷地境界のポプラ並木を保存、補植し、北西部の住環境への影響に配慮していること、敷地全域にわたり綿密な景観設計を行い、保存緑地の確保や高木の列植に努め、緑地率を高めるとともに視覚的な緑の連続性を狙っていることなどにより羊ヶ丘との共生、羊ヶ丘展望台からの景観を配慮するとの設計コンセプトは満たされている。 施設の軸は、南北軸に対し15度西方向に振れた札幌都市軸に一致させ、屋外でのサッカーの公式試合にも対応が可能。 三角形断面のリング状境界トラスであるフロートリングは、屋根をスタンドから浮上させ、外界との連続性のある開放感あふれるドームを創り出している。また、脚部のハイサイドライトとドーム部のスカイライトは、自然通風の積極的利用、自然採光の有効利用に寄与している。 ドーム外周に配置されたウインターパークは、市民サービスに関する諸室、レストランやスポーツの場など目的に応じて明確に区分され、年間を通じ多くの市民の憩いの場となる。 ワールドカップサッカー大会開催時のフーリガン対策は、楕円形の外周フィールド“オーバル”を周回する夏の道などにより明確に確保されている。 施工精度、作業の安全性、作業能率の向上を目的とし、先行地組みした屋根鉄骨をジャッキで押し上げるパンタドーム構法を採用しているが、このプッシュアップ時には多くの市民が見守るドーム施工過程における一大イベントとなる。 フラットルーフとしての役割をもつフロートリングは、屋根からの滑雪を貯え、建物周辺の除排雪作業を軽減している。また、ピッチ屋外引出し部分(ナーサリ部分)を風下の南側に配置し、リングの南側を広くとるとともに南側に向けて3度の上り勾配をつけ、ナーサリ部分への落雪の防止及び積雪の抑制を図っている。
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