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コンペ報告 札幌ドーム


【入賞作品】

●MOTION2002


設計者:三菱地所株式会社(日本)[総括代表]
建設会社:株式会社大林組札幌支店(日本)
     戸田建設株式会社札幌支店(日本)
     岩田建設株式会社(日本)





【審査講評】

 従来の円形を主体としたドームの概念を破る四角い大屋根を配し、建物内の周辺空間を有効に活用した計画。周囲の農地のポプラ並木の軸線と一致させたその直線的な大屋根は、羊ヶ丘展望台から眺望する人に対し、南西に位置する農業試験場の農地との調和と連続性を感じさせると同時に強い印象を与える。また、その特徴的な形状は、国道36号を経由して札幌を訪れる人々に対し、視覚的にダイナミックな変化を持たせるとともに、ゲートウェイの役割を果たすであろう。  東西二つの調整池に挟まれたキャナルと平行するグリーンベルトは、自然と都市の共生を目指した水と緑にあふれるコミュニティ空間となっている。また、国道36号に直交する4列のポプラ並木は、農業試験場との連続性・一体感を強調するとともに防風林としての役割を果たしている。  三方を大きなガラススクリーンで構成された開放的なウインターガーデンは、屋内化された公園であり街との連続性を高めるとともに、多くの人々が集まり賑わう場として、また冬期間厳しい寒さのなかを訪れる人々を温かく迎える場として計画されている。これは、積雪寒冷の地である札幌にあって、開かれた魅力のある大きな空間として様々なイベントに利用が可能であり、年間を通して広く市民に親しまれることであろう。  雨水の浮力を利用した芝の可動装置は、複雑な機構の多用を避けたシンプルなものであり、故障の恐れが少ないとともにメンテナンスが容易であり、かつランニングコストの低減に努めた提案。この可動装置を始め、中水利用など水のリサイクルに努め、環境との調和を図った計画となっている。



◆コンペ報告 札幌ドーム


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