〈建設グラフ1999年4月号〉<2000年4月号>
札幌駅南口再開発事業
●事業の概要●
札幌駅南口開発計画
JR北海道
札幌駅南口地下街増改修工事
札幌駅地下街開発株式会社
代表取締役社長 坂本眞一
氏
代表取締役社長 瀬戸 武
氏
札幌駅の変遷
札幌駅南口開発ビル設計者に聞く
株式会社日本設計札幌支社長
平館孝雄
氏
札幌駅南口総合開発ビル(仮称)新築工事始まる 2003年春開業
札幌駅南口開発基本計画
施設計画外観イメージ(南側鳥瞰)
札幌駅南口開発基本計画
施設計画外観イメージ(南側正面)
1日に16万人、年間6000万人もの人々が行き交う「道都・札幌駅」。
札幌圏の通勤、通学者はもとより、観光地として夏は避暑地、冬はスキーなど、全国有数の観光スポット「北海道」の駅となる重要なファクターである。
これまで、札幌市中心部として、人々が集まる交差点とされていたのは大通公園から南側にあたる“大通地区”。文字通り丸井今井札幌本店、三越札幌店の大型百貨店をはじめ、流行ファッションを先取りするショッピング街やフード店、アミューズメント施設が建ち並び、その時代の流れを敏感に感じ取ることのできる空間だ。
一方、北の玄関口となる「札幌駅」の周辺地域は、北海道庁や北海道開発局、北海道大学などの官公庁・文教施設を筆頭とした、大通地区とは対比する“ビジネス街”の落ち着いた顔を持つことから、集客性の割合は当然低かった。そこで近年、札幌駅北側の地下空間を利用し多種多彩なショッピング・フード店などが展開する「パセオ」がオープン。
オープン当初は、各テナントによる求人募集や宣伝効果が後押しして注目されたが、後には駅利用者以外の客足が引いたことなどから、苦戦を強いられ撤退を余儀なくされたテナントもあった。だが昨年、札幌市が大規模な地下駐車場を備えた「駅北口再開発整備」が完成したことで、新時代の駅の形が着実に整い始めた。
現在、駅周辺は、老舗の札幌そごう、東急をはじめとした、札幌五番館西武、ロフトの百貨店ほか、オフィスビル、シティホテル、病院、学校、アミューズメント施設が建ち並び始め、大通地区とは色彩の違う魅力的な地区になりつつある。
また、駅南側の地下部分では、本年10月オープンを控える「札幌駅南口広場地下街」の増改修が最盛期を迎えつつあり、オープン後は地上部分の南口広場に札幌市が着手する計画だ。
こうした個性豊かな脇役を控え、主役となる『札幌駅』そのものがどんな形でリニューアルされるか注目される。
JR北海道と関西筆頭の老舗百貨店・大丸は、その駅を利用した南口開発ビル(駅ビル)のビッグ・プロジェクトを発表した。
(株)日本設計が手掛けた地上38階建、地上160mを誇る東京以北最大の高層棟を有するこの複合型ビルは、大丸百貨店をはじめ、「ホテル」「オフィス」「商業施設」「アミューズメント施設」「劇場」を備えた“米国型”ショッピングモールをめざすものだ。
この整備によって、いよいよ21世紀の前年となる2000年、道民の夢と希望、北海道旅客鉄道(株)のシンボルとなる“新生・札幌駅”が具体的な像を結ぶことになる。