寄稿/内閣府 沖縄総合事務局 北部国道事務所

寄稿/内閣府 沖縄総合事務局 北部国道事務所

北部国道管内の現状及び課題

―― 北部地域の発展を支える道路整備を推進

 

内閣府 沖縄総合事務局 北部国道事務所


 

令和2年度の主な取り組み【改築関係】

 

私たち北部国道事務所は、恩納村以北の国道58号、うるま市以北の国道329号の2路線を管理しています。管内には、台風来襲時等に発生する越波や大雨により、通行規制(通行止め)を実施する区間があります。

例えば、国道58号通行規制区間として、管内には約10.36kmの事前通行規制区間と6.20kmの特殊通行規制区間があり、規制時には多くの住民が孤立します。

また、近年では国頭村などの北部地域で、ヤンバルクイナやカニ類が車に礫かれるロードキルが発生し、大きな問題となっています。

そのほか、令和元年度は約947万人の観光客が沖縄を訪れ、渋滞の原因となりました。しかも、管内における死傷事故件数は、近年は減少傾向ですが、依然として高い水準にあり、最も少なかった平成8年の120件に比べ、令和元年は174件と約1.5倍になっています。

北部国道事務所では、これらの課題を解決するため、道路の新設および現道の改良などの改築を行っています。

■一般二次改築恩納南バイパス

平成30年3月に、恩納村南恩納~同村仲泊(全区間)を2車線開通しています。現在は4車線開通に向け、整備を推進しています。延長は6.5kmで、渋滞緩和、地域連携強化、交通事故削減の効果が期待されます。

■一般二次改築恩納バイパス

平成23年4月に、恩納村瀬良垣~同村南恩納区間を2車線開通しました。現在は4車線開通に向け、整備を推進しています。延長は5.1kmで、同じく渋滞緩和、地域連携強化、交通事故削減が期待されます。

■地域高規格道路名護東道路

平成24年3月に、名護市伊差川~同市世冨慶区間を2車線開通しています。現在は全区間の2車線開通に向け、整備を推進しています。延長は6.8kmで、同じく地域連携強化、交通事故削減、渋滞緩和が期待されます。

 

名護東道路数久田IC

■地域高規格道路読谷道路

平成25年4月までに、読谷村座喜味~同村喜名、読谷村大木~同村古堅を2車線開通しています。現在は全区間の2車線開通に向け、整備を推進しています。延長は6.0kmで、地域連携強化、交通事故削減が期待されます。

このほか、塩害による老朽化に伴う橋梁の架替を行っています。令和2年度は、現道の切廻しエ事、橋梁架替工事を行います。延長は0.2kmで、橋梁架替により、更新防災対策としています。

さらに、主要幹線のバイパス事業の整備も進めています。名護束道路(地域高規格道路)は、高規格幹線道路である沖縄自動車道と名護市の市街地を結ぶ延長6.8kmの4車線道路で、那覇空港や那覇港などの広域交流拠点と地域開発拠点とを結び、北部地域の活性化を大きく支援します。

平成24年3月に名護市伊差川~同市世冨慶の区間4.2kmを2車線で開通し、現在は全区間2車線の開通に向け、世冨慶~数久田IC(道の駅「許田」約500m北側)の整備を推進しています。

読谷道路(地域高規格道路)は、読谷村親志~同村古堅に至る延長6.0kmの地域高規格道路で、沖縄西海岸道路の一部を形成し、読谷村における、国道58号の混雑緩和、地域の産業、観光および地域振興プロジェクトの支援を目的とした道路です。

 

道の駅「許田」リニューアルイメージパース

平成25年4月に読谷村座喜味~同村喜名の区間1.5kmを2車線で開通し、現在は全区間2車線の開通に向け、整備を推進しています。

恩納南バイパス(一般二次改築)は、観光シーズンや休日の交通渋滞の緩和、交通安全の確保および沿道環境の向上を図るため、4車線道路を整備することで、恩納村内の国道58号恩納~仲泊区間の渋滞損失時間が約9割削減されます。

平成30年3月に全区間(恩納村南恩納~同村仲泊6.5km)2車線開通しました。現在は全線4車線化の整備を推進しています。

私たちはさらに交通環境の改善のみでなく、環境に配慮した道づくりにも取り組んでいます。道路整備による自然の生き物の生息域の分断や住処の消失への影響を可能な限り少なくするため、次のような取り組みを実施しています。

【小動物(ヤンバルクイナ)の交通事故発生状況】

 

クイナトンネルの利用状況

国頭村などのやんばる地域で、ヤンバルクイナが道路を(件数)横断する際に車に礫かれてしまう事故が多発し、大きな問題となっています。令和元年における交通事故件数は、過去最多の平成24年・26年を下回る結果となっていますが、未だ多い事故件数となっています。

北部国道事務所では、これまでヤンバルクイナが頻繁に目撃される場所の道路沿いに進入柵(クイナフェンス)を設置し、ヤンバルクイナの道路進入を防ぐ対策を行っています。また、ヤンバルクイナの自由な活動を妨げないよう道路下に試験的に横断路(クイナトンネル)を設置しています。

これまでクイナフェンス及びクイナトンネルを設置している箇所での事故は減少しており、一定の効果が確認されています。

 

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