大河津分水路新第二床固改築JV工事事務所の安全管理

大河津分水路新第二床固改築JV工事事務所の安全管理

大河津分水路新第二床固改築JV工事事務所の安全管理

鹿島・五洋・福田特定建設工事共同企業体
現場代理人 荻野 剛

PM5ケーソン曳航:2023年1月18日撮影

1.はじめに

 鹿島・五洋・福田特定建設工事共同企業体は、北陸地方整備局信濃川河川事務所が「令和の大改修」と称し事業を進めている大河津分水路改修事業の内、新第二床固改築Ⅰ期工事を担当し、“これからの100年”を造るために安全で円滑な施工に臨んでいる。

2.「安全が第一」

 当工事は大河津分水路の河口部に位置する河川工事(臨海工事)である。気象条件・河川流況・外洋波浪等の自然からの影響を受けながら、主に非出水期(冬季)に大型重量物を船舶作業・潜水作業にて取扱うリスクの高い工事である。鹿島では全社を挙げて『100%死亡・重篤災害を発生させない』ための取組を行っている。

 当現場では所長メッセージとして『安全が第一』を掲げている。リスクを排除し誰一人痛い思いをすることがないと皆が思える作業手順書を作り、そしてその手順書を愚直に守り・守らせることでトラブルゼロを目指している。また、技能者へは新規入場時教育の場を活用し、自らの言葉で「痛い思い、辛い思いをするのは自分自身であり家族であることを再認識し、現場では何が安全かの尺度で常に判断し行動すること」と思いを伝えている。

3.リスクの見える化

図-1水位予測システム

 信濃川中上流域での洪水被害による生命・財産を守るため、当現場は昼夜兼行で止まることなく作業を実施している。自然状況を基にした判断が常に求められる中で“大河津デジタルトランスフォーメーション(OX)”に取り組み、リスクの可視化・判断の標準化に当たっている。
 河川工事では出水時に作業継続の可否や船舶を含めた退避判断をするための基準設定が不可欠である。当現場では統計的予測手法である力学系理論に基づく河川水位予測手法によって現場周辺の15時間後水位を予測し出水時の避難判断に使用している。(図-1)
 透明度の低い潜水作業では、音響ソナーを用いて水中の状況をスキャニング(点群データ化)し、その画像を3Dゴーグル(VWP:リコーバーチャルワークプレイス)を用いて仮想空間下で疑似体験させ潜水士が現状をイメージし安全に作業を行える取り組みも実施している。(写真-1)

写真-1潜水士による疑似体験

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