現場寄稿/令和4-5年度 仁尾ヶ内法面対策工事

現場寄稿/令和4-5年度 仁尾ヶ内法面対策工事

(四国山地砂防事務所 関連企画)

令和4-5年度 仁尾ヶ内法面対策工事

青葉工業株式会社 大豊作業所
監理技術者 芝 卓也

マシンガイダンス施工の様子

 

仁尾ヶ内法面対策工事は、1期工事で町道上部の落石対策工と抑止アンカー工の一部が完了しています。Ⅱ期目となる本工事では、町道と接続する管理用道路と町道の一部を掘削し、切土法面に抑止アンカー工を施工します。町道は、被災後の応急復旧により一般車両の通行が可能となっているものの、今も被災当時の地すべりによる崩壊痕が現場に残っています。

本工事では、2本の道路設計において「土工」に絞ったICT施工を実施することにしました。3次元起工測量では、地上型レーザースキャナーを用いて地形測量を実施しました。選定理由は、起伏凹凸がある広範囲な斜面における施工を、安全に、短時間で、少人数で行うことができることに加え、今回使用した機種はスキャニング時の写真撮影が可能だったことです。

3次元設計データは、計測した点群データと測量時の撮影写真に各道路線形の設計掘削データを合わせて3D化します。データの作成には時間を要しましたが、可視化された設計図は任意の位置で断面を切り、寸法計測が可能となるため、測量作業の効率化を図ることができました。

ICT建機による施工では、切土掘削及び法面整形作業において3Dマシンガイダンス(以後、MG)バックホウを使用しています。現場の上空は開けているものの、GPS電波の受信感度にやや難があったため、建機コントロール用トータルステーションから3次元データを重機に伝達する方法を採用しました。

管理用道路の切土法面は法長が比較的長く、狭い間隔でカーブが連続する切土設計でした。従来作業であれば法肩に丁張りを設置し、手元作業員が掘削ラインを確認しながら行っていましたが、MG施工では丁張り作業をほぼ行わず、オペレーターが機内のガイダンスディスプレイを見ながらバケット刃先を操作することで、きれいな曲線法面を仕上げることができました。

ICT施工は、我々元請職員と下請オペレーターはこれまで経験が無く、初めて操作する機器に対しての不安もありましたが、ICT施工の総合マネジメントを行うサポート企業に巡り会い、助言と技術的指導を受けることで新たな知識と経験を積むことができました。

 

マシンガイダンス施工の様子

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