建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2001年12月号、2002年1・2月号〉
シリーズ・コシヒカリのふるさと
新潟県の農業農村整備 |
新潟県農地部
“明日に夢を持てる農業”の基盤づくりを推進
大区画ほ場整備と中山間地域の活性化が最重要課題
水稲生産量・65万9千トンは全国2位、米の粗生産額・2,028億円は全国で1位(※)と、新潟県は、日本を代表する農業王国である。同県が進める農業農村整備事業について、各農地事務所毎に本号から3回シリーズで紹介する。 |
◆農業農村整備の必要性
「農業農村整備」は、農業生産基盤の整備や経営規模の拡大を通じて生産コストの削減や労働時間の短縮などを進め、生産性の高い多角的な農業の実現を目指すものだ。効率的で足腰のしっかりした農業を築くだけでなく、国民生活に必要な良質で安全、新鮮な農産物の安定的な供給には欠かせない。さらに、農道や排水施設の整備によって地域の交通条件や住宅地の居住環境が改善されるなど、農業以外の面でも重要だ。
一方、農村もまた、水田の持つ洪水防止機能、豊かな景観や生態系の保全、歴史文化の伝承などを通じて、人々の生活に関わる様々な機能を有している。従って今後も活力のある地域づくりを進め、農村の活性化を図っていく必要がある。
◆新潟県の農業農村整備事業
新潟の農業の中心となる新潟平野は、信濃川、阿賀野川の二大河川が運び込んだ土砂が堆積してできた、いわゆる潟湖充填平野に属する低平な平野である。そのため、農業の歴史は水との戦いの歴史だった。これまでの農業者は、河川水位の変動による洪水や干ばつの不安に、常におびえ続けてきたのである。
しかし、戦後は農業土木技術の急速な進歩により大規模な排水施設や用水施設の建設が可能となり、水利条件は飛躍的に向上。さらに、農道の整備やほ場条件の整備が進むとともに、かつて「地図に無い湖」と呼ばれた湿田は見事な美田へと生まれ変わった。
現在、農業と農村は、GATTのウルグアイ・ラウンド農業合意の受け入れや担い手の不足など、様々な課題に直面している。これに対して新潟県では、「明日に夢を持てる農業」を目指し、大消費地に直結した総合食料基地の確立と、魅力あるふるさとづくりを進めている。
大区画ほ場の整備と中山間地域の活性化がさしあたっての最重要課題となるが、魅力的な農業と快適で美しい田園、安全な県土の形成に向け、積極的に事業を展開していく。
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▲県営ほ場整備 信条地区 (中之島町) |
▲農業集落排水緊急整備事業 越沢地区 (山北町) |
※…数字はいずれも平成11年、農林水産省「生産農業所得統計」より
シリーズ・コシヒカリのふるさと
【2002年2月号掲載】
◆棚田で営まれる伝統的な稲作/十日町農地事務所
◆魅力と競争力のある低コスト農業の実現に向けて/上越農地事務所
◆中山間地域における農業生産の持続に向けた整備を推進/糸魚川農地事務所
◆変化に富んだ柏崎・刈羽地域の期待される多様な事業展開/柏崎農地事務所
【2002年1月号掲載】
◆北蒲原地域の生産基盤を総合的に整備し、併せて農村環境整備も確立/新発田農地事務所
◆北魚沼地域の農業農村整備促進計画を策定/小出農地事務所
◆西蒲原地区で排水機能を強化/巻農地事務所
◆信濃川左岸地区で用水管理体制を整備/長岡農地事務所
◆魚沼産コシヒカリのふるさと/六日町農地事務所
◆基幹施設の整備を終え、ほ場整備を展開/三条農地事務所
【2001年12月号掲載】
◆新津市東部で湛水被害の防除/新津農地事務
◆河川改修、土地改良で生まれ変わった“地図にない湖”/新潟農地事務所
◆生産コストの低減と中山間地の農業基盤整備を推進/佐渡農地事務所
◆荒川頭首工の護床工改修に着手/村上農地事務所