寄稿/関東地方整備局 相武国道事務所

寄稿/関東地方整備局 相武国道事務所

安全・安心な交通環境を目指して

―― 広域ネットワークの整備と道路管理の取組

国土交通省 関東地方整備局
相武国道事務所 所長 佐藤 重孝


はじめに

国土交通省関東地方整備局相武国道事務所では、東京都多摩地域(東京23区外)、神奈川県相模原市、大和市における国道16号及び国道20号の延長約107kmを管理しており、巡回、清掃、除草、剪定、路面の補修、除雪など道路の維持管理を行うとともに、交通混雑緩和や交通安全確保などを目的としたバイパス整備や道路拡幅事業、交通事故・渋滞対策、共同溝、電線共同溝などの事業を進めております。

管内図

国道16号における事業

〔維持管理〕
国道16号は、神奈川県横浜市から東京都、埼玉県、千葉県を経て再び横浜市に至る環状道路で、当事務所では、東京都および神奈川県内の現道約42.5kmおよび八王子バイパスの約10.3km、計52.8kmを管理しております。

〔八王子~瑞穂拡幅〕
国道16号八王子~瑞穂拡幅は、八王子市から埼玉県境までの交通混雑の緩和と交通安全の確保を目的に延長約14.6kmについて4車線(一部、6車線)に拡幅する事業です。

これまでに、全線で4車線化が完了しており、平成30年3月に約1.7km区間の6車線化が完了したことにより、平面拡幅事業が概成しております。
引き続き、交通混雑緩和及び交通安全確保に向けた交差点等の調査設計を推進しております。

国道20号における事業

国道20号バイパス計画図

〔維持管理〕
国道20号は、東京都中央区日本橋から長野県塩尻市に至る延長約220kmの主要幹線道路で「甲州街道」とも呼ばれており、当事務所では、東京都および神奈川県内の約51.2kmおよび八王子南バイパスの約2.8km、計54.0kmを管理しております。

〔八王子南バイパス〕
国道20号八王子南バイパスは、八王子市域の交通混雑緩和や交通安全確保とともに、圏央道のアクセス道路として行動範囲の拡大や移動時間の短縮を図るなど、八王子市北野町から同市南浅川町までの延長約9.6kmのバイパス事業です。

これまでに、町田街道(八王子市館町)から国道20号(八王子市南浅川町)までの約2.6kmが4車線で開通し、八王子市大船町から同市寺田町までの約0.3kmが暫定2車線で開通しております。

今後5か年程度での開通(八王子市大船町~館町)を目指し、引き続き、調査設計、用地買収、改良工、橋梁上下部工、トンネル工、環境整備を推進しております。

八王子南バイパス館高架橋(R3年3月撮影)
八王子南バイパス殿入高架橋(R3年3月撮影)

〔日野バイパス(延伸)、日野バイパス(延伸)Ⅱ期〕
国道20号日野バイパス(延伸)、日野バイパス(延伸)Ⅱ期は、並行する国道20号(甲州街道)や北野街道等の交通混雑緩和と生活道路へ流入している通過交通を減少することで、地域の安全性向上を目的とした、日野市川辺堀之内から八王子市北野町までの延長約5.3kmのバイパス事業です。

八王子南バイパスと一体となって、計14.9kmのバイパスとして八王子市・日野市の交通の円滑化などにも寄与することが期待されます。
引き続き、調査設計、用地買収、道路設計、歩道整備工事などを推進しております。

安心・安全な道路管理

管内の道路が良好な状態に保たれるよう、道路巡回や道路清掃、除草、剪定、路面補修等の日常管理や豪雨時には、連続雨量150mmを超えた場合、通行規制を実施する事前通行規制区間があるとともに、冬期では山間部において、積雪や路面の凍結などが発生していることから、これらの異常気象時には、通行止めの措置や注意喚起、除雪や凍結防止剤散布などの対応を適宜実施しております。
また、老朽化が進む道路構造物の安全・安心を確保するため、管内の橋梁補修等の老朽化対策や耐震補強、国道20号の高尾から山梨県境の防災対策等の実施をしております。

おわりに

今後も、道路事業の推進にあたって、関係者の皆様と連携を図りながら、安全・安心で魅力と活力にあふれる地域づくりを目指すとともに、地域の皆様に信頼される道路整備・管理を実施してまいります。

さらに、近年増大する災害に対応する体制を確保するため、建設業全体で取り組む必要があり、地域のインフラを支える地元企業の皆様と連携して、日常から非日常まで適切な道路管理を進め、安全・安心な社会づくりを実現していきます。

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