寄稿/地域の声を活かした道づくりで地域の利便性を向上

寄稿/地域の声を活かした道づくりで地域の利便性を向上

地域の声を活かした道づくりで地域の利便性を向上

―― 地域の防災・震災対策に寄与する国道17号本庄道路

国土交通省 関東地方整備局
大宮国道事務所 所長 田中 倫英


はじめに

国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所では、上尾道路、本庄道路、新大宮上尾道路等の改築事業、交通安全事業、電線共同溝事業といった、埼玉県内の国道4号、16号、17号の整備及び維持管理を行っています。
国道17号は、東京都中央区から新潟県新潟市までの延長約390㎞の路線で、首都圏と北陸地方を結ぶ大動脈です。
今回ご紹介する国道17号本庄道路は、深谷バイパス等と一体となって地域の幹線ネットワークを形成し、国道17号の交通渋滞の緩和、交通事故の減少、緊急車両の通行及び災害物資の輸送等のネットワーク強化を目的とした埼玉県深谷市から群馬県高崎市までの約13.1kmのバイパス事業です。
現在、本庄市沼和田から群馬県高崎市新町までの延長7.0kmを対象に事業を進めており、今年度は、本庄市内(沼和田地区)において新たに改良工事に着手します。

現在の神流川橋の様子

1.神流川橋架け替えによる防災・震災対策

埼玉・群馬の両県に跨がる現在の神流川橋は、昭和9年に一級河川神流川を渡河する橋として架設されました。
架橋から約85年が経過しており、定期的な点検や損傷状況に応じた補修を行って参りましたが、老朽化が著しいことから、本庄道路では、神流川橋の架け替えを優先的に進めています。神流川橋を架け替えることにより、災害時の緊急輸送路が確保され、防災・震災対策につながります。
施工中の新たな神流川橋は、橋長約729mのうち、埼玉県側の上り線約439m[鋼8径間連続非合成多主鈑桁橋]について橋梁上部工事(橋桁架設)が完了し、現在は、床版工事を行っています。また、群馬県側の上り線約290m[鋼7径間連続非合成多主鈑桁橋]について橋梁上部工事を進めているところです。
この新たな神流川橋が「令和4年内」に開通できる見通しとなりました。これは、本庄道路で初めての開通となります。
新しい神流川橋が開通した後、これまでの旧神流川橋は通行止めになり、撤去します。

神流川橋架け替え区間の状況

2.バイパス整備による交通渋滞の緩和・交通事故対策

埼玉県北部地域の国道17号では、日中の慢性的な交通渋滞が発生しています。【図①】
また、国道の混雑を避ける通過交通による生活道路での交通事故も発生している状況です。
この対策として、本庄道路の整備により国道17号における交通容量不足を解消し、地域の交通渋滞の緩和、事故減少に寄与します。

【図①】国道17号混雑状況

3.広報誌「本庄道路ニュース」による情報発信

本庄道路における話題等を地域の皆さまにお知らせする企画のひとつとして、「本庄道路ニュース」を発刊し、事業の進捗状況や路線に関するトピックス、情報発信コーナーへ寄せられたご意見への回答などを掲載しています。これからも色々な情報を発信していきます。(年4回発行を予定)

4.道路工事現場見学会を開催

普段、なかなか見ることのできない橋を建設する過程、さらには、道路の役割などを知ることにより、建設関係の職種に少しでも興味を持っていただければという思いから、工事現場見学会を昨年度に2回開催し、延べ約190名が参加されています。
見学会では、橋梁の架設状況や無人航空機(ドローン)によるデモンストレーションを間近で見ていただき、高所作業車の乗車体験なども行いました。
社会科見学の一環として、小さい時から現場を体験してもらい、この仕事をしてみたいと感じてもらえたらありがたいと思っております。

高所作業車の乗車体験

さいごに

引き続き、工事安全対策に細心の注意を払いつつ、一日も早い開通に向け、最大限努力して参ります。

新しい神流川橋の完成予想図


 

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